2007-04-25(Wed): 松井三郎さんと中西準子さんの裁判が終結

これまで何度か編集日誌でも取り上げている松井三郎さんと中西準子さんの間で行われていた裁判の一審判決が3月30日に横浜地裁によって出され、双方が控訴しなかったため、4月13日に一審判決が確定した。

・2006-01-14(Sat)の編集日誌
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060114/1137247883
・2006-01-18(Wed)の編集日誌
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060123/1138026586
中西準子のホームページ
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/
京都大学地球環境学大学院地球環境学堂環境調和型産業論分野松井研究室
http://enfitwww.env.kyoto-u.ac.jp/lab/

裁判の内容は、

環境ホルモン濫訴事件:中西応援団の記録
http://www.i-foe.org/kankyo-hormone/

で詳しく紹介されている。この裁判についてそもそも初耳の方はまずご覧いただきたい。判決文も掲載されている。

中西準子さんは自らのサイトで、

中西準子名誉毀損事件判決について(1)」(雑感386、2007-04-17)
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak386_390.html#zakkan386

をつづっているほか、裁判に関係した方々もブログに記事を書いている。たとえば、

・「環境ホルモン濫訴事件:判決」(事象の地平線、2007-03-30
http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=4693

以前の日誌に記したように、私自身の思いは「驚き、そして怒りを感じている。なぜ、批判された松井さんはいきなり訴訟という形に持ち込んだのだろうか。なぜ自分の個人ホームページで反論を公表しなかったのだろうか。研究者という職業人が「対抗言論」(More Speech)に訴えることなく、訴訟に持ち込んだことが哀しい。自由な言論や論争に「萎縮効果」(Chilling Effect)を引き起こす訴訟を起こしたことが哀しい」という一点に尽きる。

これは研究者に限ったことではないが、自らの考えを自由に発表できること、反論があれば「対抗言論」(More Speech)を張れることは、とてつもなく価値のあることだ。裁判は問題解決の一つの方法ではあるが、言論の是非を司法の場にいきなり持ち込むことは誰にとっても自殺行為に等しい。このような裁判は松井さんと中西さんのケースが最後になってほしい。