国立国会図書館、帝国議会会議録検索システムにデータを追加(2007-04-27)

国立国会図書館帝国議会会議録検索システムにデータを追加した(2007-04-27)。今回追加されたのは、1938年(昭和13年)12月から1945年(昭和20年)6月にかけての第74回帝国議会から第87回帝国議会の会議録で約4万7千ページ分に及ぶという。
帝国議会会議録検索システムは2005年7月1日の公開以来、

と、順次、会議録の公開範囲を拡大してきている。時代を遡りながらのデータ入力(遡及入力)が着実に進んでいることがうかがえる。
ちなみに今回追加された第74回帝国議会から第87回帝国議会は、日中戦争開戦翌年の1938年末から始まり、敗戦必至となった1945年までに及んでいるため、アジア・太平洋戦争期の戦時国会の色彩が強く出ている。会議録からもその姿はみてとれ、たとえば

などが含まれている。昨年、「国立国会図書館帝国議会会議録検索システムにデータを追加」(新着・新発見リソース、2006-03-06)の中で、

せっかく貴重なデータを公開する機会である。国立国会図書館には、今回公開する議事録にどのような論議が含まれているのか、積極的にアピールする姿勢をみせてほしい。

と記したが、この点はぜひ実現してほしい。たとえば、帝国議会会議録検索システムのトップページから、新規追加データに含まれる代表的な議会や演説を紹介し、そこに誘導してもよいだろう。また、

・史料にみる日本の近代−開国から講和まで100年の軌跡
http://www.ndl.go.jp/modern/

のような別のコンテンツから帝国議会会議録検索システムに含まれる議事録に誘導してもよいだろう。
同時にせっかくの会議録が広くウェブ上で活用される工夫も望みたい。たとえば、国立公文書館アジア歴史資料センターで開設している

・インターネット特別展「公文書に見る日米交渉」
http://www.jacar.go.jp/nichibei/

の資料解説の中に

昭和16年(1941年)11月17日東条内閣総理大臣臨時議会において対米政策について演説
http://www.jacar.go.jp/nichibei/popup/pop_24.html

というページがある。ここでは外務省外交史料館が所蔵する資料が画像で公開されているが、このページから帝国議会会議録検索システムにある該当の演説にリンクしていれば、利用者には非常に便利なことだろ。基本的にはアジア歴史資料センターの判断で行われるリンクではあるが、国立国会図書館の側でもリンクしやすい仕組みを提供してほしい。
注文が多くなってしまうが、それほどに魅力的なコンテンツなのである。データのさらなる公開とともに、巨大なデータベースの中に収められた議事録に脚光を浴びせる工夫を期待したい。

帝国議会会議録検索システム
http://teikokugikai-i.ndl.go.jp/
・「帝国議会会議録データベースにコンテンツを追加しました」(国立国会図書館、2007-04-27)
http://www.ndl.go.jp/jp/information/news.html#070427_01
・「国立国会図書館帝国議会会議録検索システムにデータを追加」(新着・新発見リソース、2006-03-06
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060306/1141639222
・「国立国会図書館帝国議会会議録データベースを公開」(新着・新発見リソース、2005-07-11)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20050711/1134802698