2007-08-04(Sat): 公立大学図書館の全サイトを訪れて−印象メモ
・「公立大学図書館のリンク集」(編集日誌、2007-07-14)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070715/1184436773
でふれたが、
・「平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会で講演」(編集日誌、2007-08-03)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070803/1186153130
の準備のために、公立大学図書館のすべてのサイトを訪れてみた。そのとき気づいたことの一部は、
・「CiNiiへのリンク」(編集日誌、2007-07-10)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070715/1184436777
・「札幌市立大学附属図書館のサイトはクリエイティブ・コモンズに準拠」(編集日誌、2007-07-11)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070715/1184436776
・「OPACを使いまわす一例」(編集日誌、2007-07-12)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070715/1184436775
・「「近代デジタルライブラリー」で見る岐阜県関係資料」(編集日誌、2007-07-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070717/1184627338
・「図書館サイト徒然」(編集日誌、2007-07-17)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070722/1185030767
と、これまでも紹介してきたが、講演が終わったこともあり、残りの点を記しておこう。当日参加された方々、あるいは参加できなかった方々のお役に立つところがあればうれしい。
・岩手県立大学メディアセンター
http://www.iwate-pu.ac.jp/office/library/
はトップページに「研究紀要ポータル」というリンクを置き、CiNiiの「岩手県立大学雑誌一覧」に直接リンクしている。
・「CiNiiへのリンク」(編集日誌、2007-07-10)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070715/1184436777
で、釧路公立大学附属図書館の例を紹介したが、これと同様に賢明な方法と思う。こういう事例をみると、以前、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーへのリンクをうまく使っている岐阜県図書館の取り組みを紹介した上で、
国立国会図書館は近代デジタルライブラリーを使ったリンク集のコンテストをやるとよいのではないか。通常の広告やプロモーション以上に効果があるように思う。
・「「近代デジタルライブラリー」で見る岐阜県関係資料」(編集日誌、2007-07-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070717/1184627338
と述べたのと同じことを、CiNiiを提供する国立情報学研究所(NII)にも思う。CiNiiへのアクセスを増やす上で様々な取り組みが行われているが(つい先週もARGの立場でNIIの研究者とこのテーマで簡単な意見交換をした)、CiNiiを上手に使ったリソース作成を募集・評価するコンテストをやってみてはどうだろう。
閑話休題。岩手県立大学メディアセンターのサイトのトップページには、次のような注釈が入っている。
OPAC
※学外者の方へ検索上の注意点
研究紀要ポータル
※学外者は一部有料↑
各種データベース一覧
※学内限定です↑
※学内者限定です
語学自習室
情報スペース利用案内
学外の利用者への配慮が感じられ、感心させられる。
・山形県立保健医療大学附属図書館
http://www.yachts.ac.jp/lib/
では、トップページに以下の文章を掲げている。
図書館では、利用者の皆さんが学習や研究の中で必要となる情報を集中的に集めることができるように、さまざまな情報源を準備しています。そこには、情報源そのものだけでなく、求める情報源を探すための情報源も準備されています。また、本や雑誌といった、古典的な情報源はいうに及ばず、データベースや電子ジャーナルといった、ニューメディアの情報源にも力を入れて準備しています。
図書館は、従来通り学習・研究する場を皆さんに提供するとともに、サービスが時間と空間の制約を越えて、いつでも、どこでも、皆さんに届くように、さまざまな新しいサービスを開発しています。
さらに、皆さんが情報を集めているとき、必要な情報源が本学にないときにもあきらめないで下さい。本学の図書館は、全国の大学図書館や、国立国会図書館、英国図書館等が行っているサービスの窓口でもあるのです。
もはや、図書館は一大学のものだけではなくなりました。図書館のネットワークは、ネットワーク全体で皆さんの学習と研究を支えるための仕組みを作り上げています。
図書館のビジョンやミッションがわかりやすく表現されている。トップページに置くには文章が長いとは思うが、なによりも表明されている意気込みがいい。
・神奈川県立保健福祉大学附属図書館
http://www.kuhs.ac.jp/kuhslib/kuhslibtop.htm
は、トップページから近隣の神奈川県立保健福祉大学実践教育センター図書室、横須賀市立図書館へリンクしている。講演で紹介した
青森公立大学図書館
http://www.nebuta.ac.jp/lib/top.htm
と同様に、大学図書館側から公共図書館等への誘導を図る数少ない好例の一つになっている。
公共図書館だが、
・羽島市立図書館
http://www.lib.city.hashima.gifu.jp/
では、
・羽島市立図書館蔵書検索メインメニュー
http://www.lib.city.hashima.gifu.jp/SerlsWeb/
のページの最下部に、
携帯電話からは、http://www.lib.city.hashima.gifu.jp/SerlsWeb/mobile/で検索ができます。
という一文を置いている。モバイル版の存在をうながす試みとして貴重な実例となっている。
・大阪府立大学羽曳野図書センター
http://www.lib.osakafu-u.ac.jp/gakubu/nursing/
は、学外者の利用資格の一つとして「大阪府看護協会会員」を挙げており、
・大阪府看護協会図書室
http://www.osaka-kangokyokai.or.jp/kaiinjoho/tosyo.htm
にも、
大阪府看護協会会員証を提示してください。また、 来館される場合は必ず(羽曳野図書センターへ)事前に連絡してから ご利用ください。
と利用者向けの注意が載せられている。看護系では他の公立大学でも利用資格を医療・保健・介護・福祉の職業人に限っているケースが多い。が、看護協会への開放は他の大学図書館サイトにはみられず、大阪府立大学の独自性が感じられる。
・下関市立大学附属図書館
http://www.shimonoseki-cu.ac.jp/library/
は、学外者の利用資格の一つに「市内に事業所を有する方」を挙げている。サイト上で確認できる限り、公立大学でこの定義を持っているのは下関市立大学附属図書館だけだろう。
以上、参考までに。