玄田有史さん、「JILPT廃止反対要望書への賛同署名及び転送のお願い」を公開

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玄田有史さんがブログ「玄田ラヂオ」で「JILPT廃止反対要望書への賛同署名及び転送のお願い」を公開した(2007-11-14)。独立行政法人労働政策研究・研修機構の存続を求める研究者の会の名義で発した舛添要一厚生労働大臣宛ての要望書を公開し、賛同を募っている。

・「JILPT廃止反対要望書への賛同署名及び転送のお願い」(玄田ラヂオ、2007-11-14)
http://www.genda-radio.com/2007/11/jilpt.html
労働政策研究・研修機構(JILPT)
http://www.jil.go.jp/

すでに、

・「労働政策研究・研修機構(JILPT)、「有識者コラム−労働政策研究とJILPTの役割」を公開」(新着・新発見リソース、2007-11-12)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071112/1194793350

として紹介しているように、労働政策研究・研修機構(JILPT)自ら一種の意見表明を行っている。この記事で書いたように、

独立行政法人がこのような企画を行うことには賛否両論あるだろうが、私は積極的に支持したい。自らの存否に関わる議論が続いているさなかだからこそ、当事者がこのような企画を通して自らの存在意義を問うことには意味がある。

という点は強調しておきたい。むしろ、存否が問題になる前から、税金を投じて運営されている機関は日常的にこういう活動に取り組むべきだろう。

なお、労働政策研究・研修機構(JILPT)、あるいはこの要望書に対しては、賛成の声ばかりでなく、労働政策研究・研修機構(JILPT)との訴訟を経験している若林亜紀さんや、経済学者の田中秀臣さんから批判の声もあがっている。

・「労働政策研究・研修機構:労働学者ら、存続を要望」(若林亜紀のブログ、2007-11-17)
http://wakabayashi.way-nifty.com/1/2007/11/post_6108.html
・「ひどい要望書だ(独立行政法人労働政策研究・研修機構の存続を求める要望書 )」(Economics Lovers Live、2007-11-18)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20071118#p2
・「要望書批判から同機構の批判的検証へ」(Economics Lovers Live、2007-11-18)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20071118#p3
・「労働政策研究・研修機構は廃止か業務ほぼゼロが妥当」(Economics Lovers Live、2007-11-26)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20071126#p2
・「労働政策研究・研修機構廃止へ」(若林亜紀のブログ、2007-11-29)
http://wakabayashi.way-nifty.com/1/2007/11/post_7986.html

なお、

・「11独法の廃止・民営化へ 改革案」(産経新聞、2007-11-27)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071127/plc0711271954009-n1.htm

で報道されているように、行政減量・効率化有識者会議において労働政策研究・研修機構(JILPT)は廃止・民営化の対象法人として名指しされている。

・「独立行政法人整理合理化計画の策定に関する指摘事項」(行政減量・効率化有識者会議、2007-11-27)【PDF】
http://www.gyoukaku.go.jp/genryoukourituka/071127/071127siteki.pdf

このまま廃止・民営化となるのかまだ予断を許さない状況だろうが、

  1. 廃止・民営化によって得られるもの
  2. 廃止・民営化によって損なわれるもの

を明確にしながら議論を尽くした上での判断が下ってほしい。その意味では、労働政策研究・研修機構(JILPT)も

有識者コラム−労働政策研究とJILPTの役割
http://www.jil.go.jp/seisaku/

に廃止肯定の論陣を張る方々を迎えることはできないだろうか。内部では相当の論議を呼ぶ試みとなるだろうが、事は労働政策研究・研修機構(JILPT)の存廃に関わる問題である。議論を深めるための英断を期待したい。

なお、労働政策研究・研修機構(JILPT)の存廃問題に関する私自身の立場と考えは別に記すつもりである。