2008-04-02(Wed): 遠藤薫編著『ネットメディアと〈コミュニティ〉形成』(東京電機大学出版局、2008年、3360円)

遠藤薫編著『ネットメディアと〈コミュニティ〉形成』(東京電機大学出版局、2008年、3360円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4501622709/arg-22/

が刊行された。もとより購入するつもりだったのだが、思いがけず共著者の一人である小笠原盛浩より一冊頂戴した。ありがとうございます。そしておめでとうございます。>小笠原さん

ネットメディアと“コミュニティ”形成

さて、目次は以下の通り。

  • 序章:複合メディア社会における<コミュニティ>とは何か
  • 第I部:ネットメディアと<コミュニティ>の夢
    • 第1章:インターネット創成神話と<コミュニティ>願望−<心>は接続されるか
    • 第2章:リトル<ビッグ・ブラザー>たちの共同体−ネットとTV、遍在/偏在する<眼>
    • 第3章:複製映像の<コミュニティ>−映像を媒介とした社会的相互行為と三つのファッド現象
    • 第4章:否定の<コミュニティ>
    • 第5章:東京タワーをめぐる三つのよるべない物語
    • 第6章:インターネットと<地域コミュニティ>
  • 第II部:ネット<コミュニティ>の現実
    • 第7章:精神疾患を患う人びとのネットコミュニティ−彼女ら・彼らはなぜネットでなければならないのか?
    • 第8章:閉鎖的コミュニティという迷走−ゲーテッド・コミュニティSNS
    • 第9章:オンラインコミュニティの困難−オタクとオンラインコミュニティ
    • 第10章:オンライン上における音楽制作者のコミュニティとその変容
    • 第11章:バイク便ライダーたちのコミュニティ−インターネットは不安定就業者の世界を「聞く」のか?
    • 第12章:コンビニをめぐる<個性化>と<均質化>の論理−POSシステムを手がかりに
    • 第13章:市民参加と地域ネットコミュニティ−「市民参加」のディレンマとパラドックス
    • 第14章:オンラインコミュニティと社会のダイナミズム−利用行動、メディアの棲み

小笠原さんは第14章の「オンラインコミュニティと社会のダイナミズム−利用行動、メディアの棲み」を執筆している。ちなみに小笠原さんは本誌の寄稿者の一人でもある。もう9年前のことになる。「データ・アーカイブ」という特集を組んだ際に、当時はNTTから郵政研究所に出向し情報通信システム研究室研究官を務めたいた。

・「個票データ公開の意義と方法」(ACADEMIC RESOURCE GUIDE第36号、1999-07-25)
http://archive.mag2.com/0000005669/19990726012000000.html

その後、大学院に進んでおり今春からは教壇に立つという。小笠原さんの変化していく様をみると、実に10年近い歳月が過ぎたことを実感する。

さて、編著者である遠藤薫さんには、類書として以下の著書がある。

間メディア社会と“世論”形成―TV・ネット・劇場社会
遠藤薫編著『間メディア社会と〈世論〉形成−TV・ネット・劇場社会』(東京電機大学出版局、2007年、3045円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4501622008/arg-22/

インターネットと“世論”形成―間メディア的言説の連鎖と抗争
遠藤薫編著『インターネットと〈世論〉形成−間メディア的言説の連鎖と抗争』(東京電機大学出版局、2004年、3675円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4501620501/arg-22/

今回刊行された『ネットメディアと〈コミュニティ〉形成』は、この2冊とあわせ読むとよいだろう。ぜひどなたかに骨太な書評をお願いしたいところだ。