国立国会図書館、近代デジタルライブラリーに明治・大正期の図書約4600タイトルを追加(2008-08-26)

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国立国会図書館近代デジタルライブラリーに明治・大正期の図書約4600タイトル(約5700冊)を追加した(2008-08-26)。

近代デジタルライブラリー
http://kindai.ndl.go.jp/
・「平成20年8月22日 近代デジタルライブラリーに画像を追加します。」
http://www.ndl.go.jp/jp/information/news.html#080822_01
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/

追加されたデータの内訳は、

  • 大正期の資料約4200タイトル(約5100冊)
  • 明治期の資料約400タイトル(約600冊)

となっている。ところで、今回のデータ追加によって、近代デジタルライブラリーで公開されている明治・大正期の図書は10万タイトルを超えたという。近代デジタルライブラリーの成長は、

・「国立国会図書館近代デジタルライブラリーで大正期図書を追加」(新着・新発見リソース、2007-07-11
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070711/1184086828
・「国立国会図書館近代デジタルライブラリーでの大正期図書の公開を予告」(新着・新発見リソース、2007-07-01)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070701/1183295785
・「国立国会図書館近代デジタルライブラリーをリニューアル」(新着・新発見リソース、2006-04-16
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060416/1145167657
・「国立国会図書館近代デジタルライブラリーに650件(約700冊)の資料を追加」(新着・新発見リソース、2004-10-17)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20041017/1136271883
・「国立国会図書館近代デジタルライブラリーに資料追加」(新着・新発見リソース、2004-09-19)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20040919/1136273129

といった記事の足跡がよく示しているだろう。だが、今回は10万タイトルという数以上に、新収の資料を紹介する

・資料あれこれ
http://kindai.ndl.go.jp/information/shiryo_arekore/shiryo_arekore080826.html

というページが設けられていることのほうが特筆に値する。このページによって、今回新たに収録されたデータには、『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』『道草』『明暗』といった夏目漱石の名作、あるいはH.G.ウエルズの『宇宙戦争』、黒岩涙香訳の『八十万年後の社会』が含まれることがよくわかる。そして、このページは直接これらの作品にリンクしており、興味を持った利用者がすぐに電子化された本文にアクセスできるようになっている。利用者の関心を高め、さらに見るという行為を促す工夫がしっかりとなされており、手本としたいものだ。10万タイトル突破は一つの画期的な出来事ではあるが、このタイミングでこのようなプロモーション用のページが設けられていることにもっと注目していいだろう。担当者の見識とセンスに感心する。

なお、

・「国立国会図書館、貴重書画像データベースにデータを追加(2008-07-11)」(新着・新発見リソース、2008-08-07
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080807/1218062231

で、データ追加情報の記載の問題を指摘しているが、近代デジタルライブラリーは明治期のデータ、大正期のデータそれぞれについて、図書をリスト化したCSVファイルを公開している。これもよい手本の一つだろう。ただ、願わくば国立国会図書館には、同じ館内のGood Practiceを学びあい全体で品質を高め整えていくようになってほしい。