2008-11-25(Tue): サイエンスアゴラに参加

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3連休の中日の11月23日(日)にサイエンスアゴラ2008に参加したので、遅ればせながら感想を少々。

サイエンスアゴラ2008
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/

そういえば、サイエンスアゴラへの参加は自らワークショップを開催した2006年の第1回以来のこと。

・ワークショップ「研究のより良いウェブ情報発信に向けて」(2006-11-26)ブログ
http://arg-scienceagora.blog.drecom.jp/
サイエンスアゴラ2006
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2006/

第2回の昨年はあまり気が進まず参加しなかったのだが、今回はサイエンスアゴラを始めた長神風二さんと相談したいこともあり、お台場まで出かけてみた。

ちなみに長神さんとは、

2008-12-09(Tue):
BMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会合同大会)
(於・兵庫県/神戸ポートアイランド
http://www.aeplan.co.jp/bmb2008/program/forum.html

で行うフォーラム「生命科学における科学研究情報の共有のあり方−学術情報への市民によるアクセス、研究コミュニティでの共有、研究者による情報発信」に呼んでいただいており、相談はここでの報告内容について。長神さんといえば、図書館関係者には、

・「サイエンスコミュニケーションと 図書館」(「情報管理」51-5、2008-08-01
http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/51/5/51_321/_article/-char/ja

の著者として印象的かも知れない。

さて、まえふりが長くなったが、参加したのは、

・「科学情報とウェブI 科学情報の特性と効果的な情報デザイン」
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081123/2-17.html
・「シルク・ド・さいえんす−科学技術広報いろいろ『私と科学技術広報』」
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081123/2-22.html

の2つ。以下はレポートではなく、あくまで感想として記しておく。まず、

・「科学情報とウェブI 科学情報の特性と効果的な情報デザイン」
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081123/2-17.html

だが、長神さん以外に壇上に上がったのは、

・林和弘さん(日本化学会)
・水島久光さん(東海大学
・生貝直人さん(Creative Commons
http://ikegai.jp/
・大橋正司さん(東京大学
http://sakuralab.jp/about/members/sohashi

の4名。自分としては生貝さんによる

・Science Commons
http://sciencecommons.org/

が最もInformativeだった。日本への導入の際にはACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)にご寄稿いただくようお願いもでき、良い出会いとなった。

さて、全般的な話。一つ強く気になったのだが、議論の枠組みが学術コミュニティーと一般社会という二分法になりがちだったことだ。自分の感覚とはどうも異なる。学術コミュニティーと、そこには縁の薄い一般社会としてとらえるのはやはり実態に沿っていないのではないか。自分の考えとしては、研究者であれ、職業人であれ、誰しも何らかの分野で専門を持っている。その意味では誰もが何かの専門家だ。しかし、一歩自分の領分を出れば、とたんにずぶの素人になる。つまり、専門性と非専門性は、誰の中にも同居している。サイエンスコミュニケーションを考える上では、この点を見過ごしてはいけないのではないだろうか。まあ、そのへんの議論は上記のBMB2008で行うフォーラム「生命科学における科学研究情報の共有のあり方−学術情報への市民によるアクセス、研究コミュニティでの共有、研究者による情報発信」にとっておこう。

・「シルク・ド・さいえんす−科学技術広報いろいろ『私と科学技術広報』」
http://scienceportal.jp/scienceagora/agora2008/081123/2-22.html

は非常におもしろかった。ただし、欲をいえば、登壇者と会場の間にインタラクションがほしかったというところ。司会の方の聞き出し方がうまかったのが裏目に出たともいえるが、もう少し間をとってもよかったろう。ともあれ、こちらでは2006年のとき以来、森田洋平さんにお目にかかれたことはうれしい。森田さんは、

・日本最初のホームページ
http://www.ibarakiken.gr.jp/www/

をつくった方。その後の懇親会でも話し込んだが、インターネット草創期を知る方にいま直接会えるということに、自分たちの世代の幸せを感じる。

最後に1日を通して、気になったことを一つだけ。

サイエンスコミュニケーションを掲げて集まる以上、みなさん、もう少しコミュニケーション力をあげようよ。最低限、発言するときは名前だけでも名乗ろうよ。