2009-01-16(Fri): 引き続き、 全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会に参加

引き続き、全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会に参加。

・「全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会で講演」(編集日誌、2009-01-15
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090116/1232057666

2日目は、松岡要さん(日本図書館協会)による情勢報告。その後、川上博幸さん(香芝市民図書館)の司会で全体会となり、前日の講演を受けての参加者の質問に答えていくという流れ。

ところでいただいた質問への回答を一つ漏らしていたので、ここに記しておきたい。質問はインターネット上の情報の提供までを図書館の役割と考えるべきなのかというもの。質問者本人は当然図書館の役割と考えているが、周囲にはそう思っていないライブラリアンが決して少なくないという。

確かに図書館法では図書館資料は、

郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。

と規定されている。松岡さんの情勢報告でもふれられていたように、この条文ではインターネットまでは想定されていない。しかし、だからと言って、サービスの対象外とすることは現実的ではないと思う。なぜなら、元々、図書の形態で流通していたものが、インターネットで提供されるようになってきているからだ。たとえば、

Yahoo!百科事典
http://100.yahoo.co.jp/

は、小学館の『日本大百科全書(ニッポニカ)』と内容は変わらない。図書版の『日本大百科全書(ニッポニカ)』は提供できても、このサイトを提供できないという法はないだろう。これはわかりやすいケースだが、他にも個人のブログであれ、企業のサイトであれ、利用者が求める答えがそこにあるのなら、それらの情報を提供しないでなんのための図書館か、と大きな疑問を持たれはしないだろうか。また、根本的な疑問として感じるところだが、インターネット情報の提供に否定的なライブラリアンはそもそもインターネットを日常的に使っているのだろうか。実は自分自身はインターネットをほとんど使っていないか、苦手意識を持っているのではないだろうか。そのために、あれこれと理由をつけてインターネット情報の提供を否定しているのであれば、それは非常に物悲しいことだ。

さて、他にも書くべきことがいくつかあるのだが、それについてはまた後日としたい。奈良県立図書情報館の職員の方々をはじめ、研究集会の開催にご尽力くださったすべての方々に御礼申し上げたい。