2009-01-19(Mon): 図書館による観光支援の可能性と実施例(3)−奈良県立図書情報館による観光支援

・「図書館による観光支援の可能性と実施例」(編集日誌、2008-10-10)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081011/1223715473
・「図書館による観光支援の可能性と実施例(2)」(編集日誌、2008-12-23
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081227/1230348108

で取り上げたきたが、全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会のため奈良を訪れた際に、奈良県立図書情報館による観光支援の実際のところを体験してきたのでレポート。

・「全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会で講演」(編集日誌、2009-01-15
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090116/1232057666
・「引き続き、 全国公共図書館サービス部門研究集会・近畿公共図書館協議会研究集会に参加」(編集日誌。2009-01-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090119/1232321268

元ネタは以下の通り。

記者会見で千田館長は、旧来の図書館の殻を破った図書館づくり、運営を進めていきたいとして、これまでにあまり例のない図書館とホテルとの連携の第1弾、奈良の滞在観光を促進する観点からも、ホテル日航奈良で「千田稔が選ぶ20冊」の宿泊者への貸出サービスを始めること、来年には和辻哲郎「古寺巡礼」90周年を記念した「私の奈良・大和路紀行」のエッセイ募集、書籍化することなどの抱負を語りました。

・「おかげさまで県立図書情報館は開館3周年を迎えました」(奈良県立図書情報館イベント情報、2008-11-03)
http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-118.html

また、

・「旅と図書館」(Traveling LIBRARIAN −旅する図書館屋、2008-12-27)
http://d.hatena.ne.jp/yashimaru/20081227#p1

も参考に。

さて、ホテル日航奈良で行われている観光支援だが、まず貸出を行っている「千田稔が選ぶ20冊」のリストが客室に置かれている。ちなみにパウチ加工されている。

宿泊客はこのリストを参考に、借り出したい本を選んでフロントに電話する。すると、ホテルのスタッフが部屋まで本を届けてくれるという流れ。簡易な貸出記録に連絡先と署名を記すと、本が引き渡され、返却は翌日チェックアウトする際にフロントで返却することになる。なお、貸し出される本は、奈良県立図書情報館の蔵書らしくシールが貼られている。

これは非常にいい取り組み。まさに講演で話した情報の遍在の良い実例だろう。ちなみに、「千田稔が選ぶ20冊」には、人の視線が最後にたどりつくと言われる一番右下にさりげなく奈良県立図書情報館の案内が記されている。

奈良県立図書情報館
http://www.library.pref.nara.jp/