2009-04-14(Tue): 読書記録−上野佳恵著『情報調査力のプロフェッショナル−ビジネスの質を高める「調べる力」』(ダイヤモンド社、2009年、1575円)

丸山高弘さん(山中湖情報創造館)のおススメに背中を押されて、早速購入・早速読破。

・「おススメ「情報調査力のプロフェッショナル」」(丸山高弘の日々是電網 The First.、2009-04-12
http://maru3.exblog.jp/8167091

情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」
・上野佳恵著『情報調査力のプロフェッショナル−ビジネスの質を高める「調べる力」』(ダイヤモンド社、2009年、1575円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478490538/arg-22/

目次は以下の通り。

  • はじめに−調べるスキルの引き出しを増やすには
  • 序章 プロフェッショナル・リサーチャーの作法
  • 第1章 調べる仕組みとは
  • 第2章 ビジネス情報ニーズの範囲
  • 第3章 企業と人物について調べる
  • 第4章 基本のリサーチ[1]「企業」「人物」
  • 第5章 業界について調べる
  • 第6章 基本のリサーチ[2]「業界」「消費者」
  • 第7章 情報のプロフェッショナルへの道
  • あとがき

全体的な構成としては、序章から第6章までで「調べる」という行為の考え方と実際の技法を扱い、最後の第7章では著者である上野佳恵さんが「マーケティングを専門とするビジネス・リサーチを職業とするまでの歩み」をまとめている。

この種の本はあまり詳しく書くとネタばれになってしまうので、詳述はしないが、読もうかどうか買おうかどうか迷っている方は、まずは「第7章 情報のプロフェッショナルへの道」だけでも立ち読みすれば、決断できると思う。本書の真価はこの章にある。大学での勉強、特に卒業論文への取り組みをきっかけに、著者がリサーチの世界に入っていく過程、そして日本能率協会総合研究所のマーケティング・データ・バンク(MDB)やマッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、インフォナビという自分の会社を設立する様が描かれているが、ここは決して単なる自伝ではない。「はじめに」から第6章までに述べられている著者の考えは、この章に凝縮されている。「情報感度」(204頁)、「『公式』は存在しないけれど、『王道』はある」(206〜207頁)、「情報の仕事はコミュニケーションの仕事」(225頁)といった言葉こそが本書のエッセンスではないかと思う。