国文学研究資料館、3種のデータベースを公開(2008-12-15)

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国文学研究資料館が電子資料館で地下家伝・芳賀人名辞典データベース、伝記解題データベース、日本文学国際共同研究データベースを公開した(2008-12-15)。

・地下家伝・芳賀人名辞典データベース
http://base1.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/CKDDefault.exe?DB_ID=G0035938ZigeHaga&GRP_ID=G0035938&DEF_XSL=default&IS_TYPE=csv&IS_STYLE=default
・伝記解題データベース
http://base1.nijl.ac.jp/infolib/meta_pub/DNKDefault.exe?DB_ID=G0035938denki&GRP_ID=G0035938&DEF_XSL=default&IS_TYPE=csv&IS_STYLE=default
・日本文学国際共同研究データベース
http://base1.nijl.ac.jp/~kokusai/icjs.html
国文学研究資料館 電子資料館
http://www.nijl.ac.jp/contents/d_library/
国文学研究資料館
http://www.nijl.ac.jp/

地下家伝・芳賀人名辞典データベースと伝記解題データベースについて言えば、もちろん専門家には有用なデータベースなのだが、このインターフェースでは、一般の利用者の元に届かない。そもそも「地下家伝・芳賀人名」や「伝記解題」の意味するところがわからないので、初めてこれらのデータベースを訪れた利用者は、ここで何ができるのか、どんな検索キーワードを入れればいいのか、まず見当がつかないだろう。同資料館が情報を提供している

人間文化研究機構 データベース台帳 171(古典学統合百科データベース(伝記解題, 地下家伝・芳賀人名辞典))
http://www.nihu.jp/property/data/175.html

では、

【芳賀人名・地下家伝】日本の古典研究に関わる人物情報をデータベース化。現在、芳賀矢一(1867-1927)編『日本人名辞典』(1914)と[三上景文著; 正宗敦夫 (1881-1958)編纂校訂『地下家伝』(日本古典全集刊行会 ,1937.9-1938.8)6冊をデータベース化したものを搭載。 歴史人物画像データベースにもリンク。
【伝記解題】当館所蔵の典籍やマイクロフィルムに収載される人物伝・人物叢伝の内容の解題と、どんな人物が収載されているかをデータベース化。

ときちんと説明がなされている。なぜ、同じことをデータベースそのものにわかりやすく明記しないのだろうか。

同時に公開された日本文学国際共同研究データベースは、非常に大規模なもので、

  • 画像データベース
    1. 新奈良絵本画像データベース(翻刻付)
    2. イタリア論文データベース
  • 日本文学・日本学データベース(翻訳本等)
    1. イタリア語に翻訳された日本文学
    2. イタリア論文データベース
    3. フランス語に翻訳された日本文学(SFEJ)
    4. フランス語に翻訳された日本文学(Francine HERAIL編)
    5. フランス語に翻訳された漫画
    6. 日本学研究データベース(SFEJ)〔フランス〕
    7. 日本学研究データベース(Francine HERAIL編)〔フランス〕
    8. 日本学研究データベース(Patrick Beillevire編)〔フランス〕
    9. 日本学論文・翻訳データベース(Patrick Beillevire編)〔フランス〕
    10. 日本学研究データベース〔インド〕
  • 研究者・大学等研究機関データベース
    1. 韓国日本学総覧(研究者編)

と、13のデータベースが公開され、日本文学・日本学データベース(翻訳本等)の1つとして、サレジオ大学マリオ・マレガ文庫所蔵日本書籍目録が公開予定となっている。

ただ、これも一つ残念であり、またユニークとも言えるのが、英語版への誘導を図るアイコンが「English ユニオンジャック 星条旗」という並びになっていることだ。これまでも散々言及してきていることだが、言語と国家とは別の次元の事柄だ。英語という世界各地ですでに母語として使われている言語を象徴するのに、イギリスやアメリカの国旗を用いることは、学問的な姿勢ではない。このような不見識なアイコン使用が、よりにもよって日本文学国際共同研究データベースでされているのは、もはやブラックユーモアの域に達してはいないか。すでにこの状態で8ヶ月以上公開されてきたのだと思うと、残念な限りだが、改めるのに遅いことはない。ぜひ、すぐに見直してほしい。

・「ささいだけど大切なこと−英語版のアイコンをめぐって」(編集日誌、2007-09-09)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070909/1189347649