2005-07-25(Mon):

社会学辞典的なデータベース「社辞郎」の構想というのをみつけた。こういう提案を目にしたのは久しぶりだ。21世紀COEプログラムの一環として取り組んでいるようだが、ぜひ実現させていってほしい。報告類を読んだうえで一つだけ感想を述べておくと、すでにあるインターネット上の知の共有の仕組みに対する過小評価には危惧を覚える。たとえば、2004年度研究活動報告「社会学データベース「社辞郎」に関する研究会の報告」によれば、研究会の討論で「 現在のWikipediaにはグランドデザインが欠如している。単に、基本的方針に賛同する者は誰でも記事を投稿したり編集したりできるというのでは、知のアナーキズムに陥りかねない」という意見が交わされている。「グランドデザイン」という言葉が何を意味しているのか、どのような意味で用いているのか、そもそもそれが定かではないが、グランドデザインがない、知のアナーキズムに陥るという指摘は、いささか拙速ではないだろか。あるいはWikipediaの現状に対する観察不足ではないだろうか。

・「文化的な多様性を進行形で投影する 社会学者の夢「社辞郎」」
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/jalskyward.htm
・第1回データベース「社辞郎」に関する研究会議事録(2004-03-28)
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/syajirogijiroku040328.htm
・「「社辞郎」とは何か」(2004-05-20)
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/whatissyajiro.htm
・「社会調査の思想・倫理・効用―21世紀COEプログラム:「人類の幸福に資する社会調査」の研究のめざすもの―」
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/hokokusyokosaka.htm
・「社会学データベース「社辞郎」に関する研究会の報告」(関西学院大学21世紀COEプログラム「人類の幸福に資する社会調査」 - 「社会調査の思想・倫理・効用」2004年度研究活動報告)(2004-12-25)
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/2004hokokusyo.htm
関西学院大学21世紀COEプログラム「人類の幸福に資する社会調査」の研究 - 「社会調査の思想・倫理・効用」
http://www-soc.kwansei.ac.jp/coekosaka/
関西学院大学21世紀COEプログラム「人類の幸福に資する社会調査」
http://coe.kgu-jp.com/jp/