科学技術振興機構、平成17年度電子アーカイブ対象誌を選定(2005-09-16)

独立行政法人科学技術振興機構JST)が、科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)を使った電子アーカイブ事業で電子化する学術雑誌74誌を選定し、その結果を公表した(2005-09-16)。この事業は、「国内学協会の学術雑誌の国際発信力の更なる強化と重要な知的財産の保存等を目的とし、特に重要な学術雑誌について過去の紙媒体の論文に遡って創刊号から電子化(電子アーカイブ)し、JSTで運用している科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)にて全文公開するもの」とされており、国内の学会組織が発行する約550誌を調査したうえで、英文誌を中心に今回の対象誌を決定したという。選定は、日本学術会議会長の黒川清さんを委員長とする外部有識者で構成する電子アーカイブ対象誌選定委員会が行った。今後は電子化の対象として選定された74誌と権利関係の調整、電子化する元データとなる雑誌の準備を行い、来週以降にJ-STAGEで本文を公開できるよう電子化作業にとりかかるという。なお、今回の発表にあたって、1)電子アーカイブ対象誌選定委員会の名簿が公開されていないこと、2)電子アーカイブ対象誌選定委員の議事録が公開されていないこと、3)来春以降、J-STAGEで本文が公開される際、閲覧は無料となるのか、有料となるのか、明らかではないこと、といった情報の不備がみられた。いずれも財源の9割を国庫支出金に依存する独立行政法人が行う事業として、今回の選定結果が妥当といえるのかを検討するうえできわめて重要な情報である。これらの情報は早期に追加公開されるべきものだろう。JSTの対応を期待したい。

・平成17年度電子アーカイブ対象誌を選定
http://www.jst.go.jp/pr/info/info210/
・科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)電子アーカイブ事業
http://info.jstage.jst.go.jp/jarchive/
・科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja
独立行政法人科学技術振興機構JST)の事業予算
http://www.jst.go.jp/pr/intro/yosan.html
独立行政法人科学技術振興機構JST
http://www.jst.go.jp/