2006-04-02(Sun): 中野昌宏さん、待望の単著刊行

貨幣と精神―生成する構造の謎

ラカン精神分析学・日本語文献案内で特に知られる社会分析学ウェブサイトを運営する中野昌宏さんの単著『貨幣と精神 ―生成する構造の謎』(ナカニシヤ出版、3150円)が刊行された。
中野さんに初めてメールさせていただいたのは、もう6年か7年前になるだろうか。確か、当時はまだ博士課程の大学院生であったように思う。その後、中野さんは大分大学に着任し、ついに博士論文をベースにした単著の刊行にとたどりついている。
私の場合、こういうときになにが嬉しいかといえば、研究者としての個人サイトを公開してきた方が、ウェブでも、従来の出版でもどちらも劣らず活躍していることだ。大学院生が個人サイトを運営していると、まだまだ厳しいことをいう指導教員もいると聞かないでもない。つまりはインターネットより研究に専念せよ、という指導だろう。だが、個人サイトを運営することと、研究を進めることは十分両立するはずだし、むしろ個人サイトを運営すること自体が研究の一部であるはずだ。そう思うと、中野さんが単著を刊行されたことは、個人サイトの運営が少なくとも研究の阻害要因ではないことを示すという意味でもうれしいのである。
さて、本の内容については中野さんのブログでご自身が語っている。読者の方々には、ぜひ一読いただき本の購入や図書館へのリクエストを考えてほしい。

・『貨幣と精神 ―生成する構造の謎』(中野昌宏、ナカニシヤ出版、3150円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4888489785/arg-22/
・ワタクシ初の単著本が出ました(社会分析的ブログ)
http://nakano.main.jp/blog/archives/2006/03/post_57.html
・社会分析学ウェブサイト
http://nakano.main.jp/