東京学芸大学附属図書館、貴重資料約130点の画像を追加
東京学芸大学附属図書館は「望月文庫」や「日本近代教育史資料」の往来物(平安末期から明治初期にかけての一種の教科書)の電子化を進めているが、今回ここに約130点の画像を追加した(2006-04-19)。今回の新規追加によって、電子化されている貴重資料は約1400点(モノクロ約900点、カラー約500点)になったという。
さて、このニュースで特にすばらしいのが、同図書館が「追加分一覧」として、新たに公開した資料を逐一紹介していることだ。「貴重資料約130点の全文画像を追加しました!」というページをみるとわかるように、130点すべてについて、その書誌と画像へのリンクを提供している。この一工夫を心から讃えたい。
様々なサイトで資料の新規追加が行われるが、追加された資料の点数だけを発表していることが多く、実際にどのような資料が公開されたのか、実にわかりにくいことが多くある。たとえば、国立国会図書館の近代デジタルライブラリーでは2002年10月の公開から2005年7月までに3回データの追加を行っている。しかし、このときは「新たに約○○件(約○○冊)の資料を「近代デジタルライブラリー」に追加しました」とお知らせがでるだけだった。その後、2004年8月以降は追加公開資料のリストをcsv形式のファイルで公開するようになったものの、依然としてクリック1回で電子化された資料にたどり着けるようにはなっていない。
同じことは国立公文書館のデジタルアーカイブについてもいえる。2005年4月から公開されている国立公文書館のデジタルアーカイブでは、2006年4月に初めてデータの追加が行われた。このときは約6万5000コマの画像と約8000冊分の目録データが追加されたことが発表され、その内訳も示されたものの、やはりクリック1回で直接デジタルアーカイブの画像を閲覧できるような配慮はなされていなかった。
国立国会図書館にも国立公文書館にもそれぞれできない理由があるのだろう。だが、両館に比べて、予算も人員もはるかに乏しい東京学芸大学附属図書館が実現していることを、できないままでは通らない。両館には次のデータ追加の際には、クリック1回で新たに追加された資料にアクセスできるような工夫を必ず実現してほしい。
・「貴重資料約130点の全文画像を追加しました!」(2006-04-19)
http://library.u-gakugei.ac.jp/notice/20060419.html
・望月文庫
http://library.u-gakugei.ac.jp/lbhome/mochi/
・東京学芸大学附属図書館
http://library.u-gakugei.ac.jp/
・近代デジタルライブラリー
http://kindai.ndl.go.jp/
・近代デジタルライブラリー - お知らせ
http://kindai.ndl.go.jp/information.html
・国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/
・国立公文書館デジタルアーカイブ
http://www.digital.archives.go.jp/
・国立公文書館デジタルアーカイブ - お知らせ一覧
http://www.digital.archives.go.jp/news/
・国立公文書館
http://www.archives.go.jp/