2006-05-15(Mon): 消えてしまった個人サイト −特に1990年代中盤の大学院生たち

まず、『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)サポートブログの2006-05-12(Fri)の作業録に記したものを転載しよう。

初期のインターネットの学術利用を支えた人々には大学院生が多くいたように思います。三浦麻子さん(心理学)や永崎研宣さん(インド哲学)、牛山素行さん(災害情報)のように研究者の道に進まれた方もいますが、他方1996年2月に日本のインターネット心理学関連情報をつくった磯部聡さんのように博士課程には進まず就職された方も多くいらっしゃいます。

彼ら・彼女らの活動はサイトの閉鎖とともに埋もれてしまっており、今回の年表にも取り込みきれておりません。本当の歴史を描き出せるとしたら、やはりそういった人々の活動を拾いあげたいものです。

これは、「研究者の個人ホームページの歴史」年表(稿)に対してアドバイスをくださった研究者の方に返信したメールの一部である。

特に1994年から1996年くらいにかけてだろうか、初期のインターネットの学術利用を支える存在として、一部の大学院生(主に当時修士課程に在籍)の存在があったはずだ。上に引いたように、その後、研究者への道を進んだ方々の場合は記録が残っているが、博士課程には進まなかった方々は大学院の修了と就職に伴い、それまで手がけてきたサイトがほとんど閉鎖されてしまっている。そして、1994年〜1995年当時のサイトは、The Internet Archiveにも収録されていない。その痕跡は完全に失われてしまい、いまや一部の人の記憶に残るだけだろう。

だが、彼ら・彼女らの存在があればこそ、各大学での自生的なネットワークの立ち上げが進んだという側面があったはずだ。私はそれを記録に残したい。そこでまたお願いである。当時、大学院生であった方々、あるいは大学院生を指導していた教員の方々、現存する、しないを問わず、当時のインターネットにあって、大学院生がつくっていたサイトの情報をお寄せいただけないだろうか。詳しい情報でなくてもいい。いつ、どこで、だれが、なにを、どのようにしていたのか、4W1Hの一部分でもよいので、ご教示いただきたい。

・「研究者の個人ホームページの歴史」年表(稿)
http://d.hatena.ne.jp/arg_book/20060408/1144501428
2006-05-12(Fri)の作業録
http://d.hatena.ne.jp/arg_book/20060514/1147572594
・『これからホームページをつくる研究者のために』(仮題)サポートブログ
http://d.hatena.ne.jp/arg_book/
・The Internet Archive
http://www.archive.org/