2007-01-11(Thu): 会津泉「始まった行政のインターネット利用」

別件で調べものをしていてみつけた文書。

会津泉「始まった行政のインターネット利用」
http://www.anr.org/web/html/archive/old/html/output/96/jpgovnet.htm

日本で行政機関によるサイト公開が始まった頃の状況がよくわかる。記録を残しておくことの大切さをあらためて教えられる。

ところで会津泉さんといえば、オンラインコミュニティーに早くから注目してきたハワード・ラインゴールド(Howard Rheingold)さんの初期三部作の一つ『バーチャル・コミュニティ −コンピューター・ネットワークが創る新しい社会』(三田出版会、1995年)の訳者だが、残念ながら同書は三田出版会の倒産によって絶版となったままのようだ。他の二作については、『思考のための道具』が昨年増補のうえ新訳で刊行されている。『バーチャル・リアリティ −幻想と現実の境界が消える日』(沢田博訳、ソフトバンククリエイティブ、1992年)は品切れとなっている。『バーチャル・コミュニティ』や『バーチャル・リアリティ』は古典として読み継がれていい本と思うだけに現状は非常に残念だ。
なお、三部作のうち、『バーチャル・コミュニティ』と『思考のための道具』はハワード・ラインゴールドさんの公式サイトであるRheingold.comで原文が公開されている。

さて、さらにあわせて知ったのだが、会津泉さんが主宰していた株式会社アジアネットワーク研究所(ANR)が2006年6月に登記を抹消して正式に閉鎖していた。当時会津さんにその旨をお知らせいただいた記憶がかすかながらあるが、そのまま今日まで失念していたようだ。

ANRは、元を辿れば1986年に設立された株式会社ネットワーキングデザイン研究所(通称ネッ研)がその前身で、通算すれば20年ほどの存在であったといえます。
http://www.anr.org/web/html/MSG2006.htm

20年の重みを感じる。なお、ANRのサイトについて会津さんは、

このウェブサイトは、ANRの活動を記録したアーカイブとして、当面このままの状態で存続させておきます。
http://www.anr.org/web/html/MSG2006.htm

と述べている。草創期からのネットワーカーである会津さんらしい見識と思う。当面といわず、保存してほしい。

会津泉 AIZU Izumi
http://www.ni.tama.ac.jp/izumi/
・『新 思考のための道具 知性を拡張するためのテクノロジー −その歴史と未来』(日暮雅通訳、パーソナルメディア、2006年)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893622161/arg-22/
・『バーチャル・リアリティ −幻想と現実の境界が消える日』(沢田博訳、ソフトバンククリエイティブ、1992年)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4890523782/arg-22/
・Rheingold.com
http://www.rheingold.com/
・Smart Mobs
http://www.smartmobs.com/
・株式会社アジアネットワーク研究所(ANR)
http://www.anr.org/