湖中真哉さん、東アフリカ・マー系文化のヴァーチャル・ミュージアムを公開(2007-03-27)

湖中真哉さんが東アフリカ・マー系文化のヴァーチャル・ミュージアムを公開した(2007-03-27)。湖中真哉さんはこれまで個人サイト「湖中研究室」でインターネット上のアフリカ民族誌と銘打ってケニアの牧畜民サンブルを音声や映像で紹介してきた。今回、公開したのヴァーチャル・ミュージアムでは、従来の内容を一新し東アフリカのケニア北部からタンザニア北部にかけて住まうマー系文化の人々の様子を伝えている。
さて、新たに公開されたヴァーチャル・ミュージアムはオンライン民族誌を実践する湖中さんのこれまでの経験と知識がすべて詰まっているようだ。特にミュージアム全体の構成に工夫がある。ミュージアムの各ページの左側にミュージアムの全体像を示すメニューがあるが、ここは必ずしもリンクになっていない。リアルな施設があるミュージアムと同様、以下のような一定のルートを辿ることが求められている。

  1. 入口
  2. ご案内カウンター
  3. チケットカウンター
  4. 1階展示室
  5. 2階展示室
  6. 3階展示室
  7. 特別展示室
  8. 来館者帳
  9. 書籍部
  10. 館員室
  11. 出口

ミュージアム内を自由に歩き回れるほうがウェブの特性にかなっているという考え方もあるだろう。だが、このミュージアムで一度館主の意図に沿って歩き回ってみると、なるほどこういう方法もありうること、そして有効であることを実感できる。まずは、館主の招きに応じて、入口から歩みを進めてみてほしい。
ミュージアムの現在の展示内容は以下の通り。

  • 1階展示室
    • サンブルの物質文化(「もの」の文化)
    • サンブルの家屋にみられる廃物資源利用
  • 2階展示室
    • サンブルによる容器の廃物資源利用
    • サンブルによる自転車部品の再利用
    • サンブルによるタイヤ・サンダルの「再々利用」
  • 3階展示室
    • サンブルによる拾った物の再利用
    • サンブルの修繕技術

テーマごとにスライドショーや動画が用意されている。
なお、このヴァーチャル・ミュージアムは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で運営されていることも特筆に価するだろう。

・東アフリカ・マー系文化のヴァーチャル・ミュージアム
http://africa.u-shizuoka-ken.ac.jp/
・「開館しました!」(Virtual Museum of East African Maa Culture: Weblog、2007-03-27)
http://blog.goo.ne.jp/maaculture/e/5c2ed292a60f9e0b0cab2247538a662f
・Virtual Museum of East African Maa Culture: Weblog
http://blog.goo.ne.jp/maaculture/
・湖中研究室
http://africa.u-shizuoka-ken.ac.jp/j/indexj.html
・『牧畜二重経済の人類学−ケニア・サンブルの民族誌的研究』(世界思想社、2006年、4935円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4790712184/arg-22/
牧畜二重経済の人類学―ケニア・サンブルの民族誌的研究