東京大学史料編纂所、平安遺文フルテキストデータベースで新訂増補国史大系の奈良・平安時代法制史料書目を公開

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東京大学史料編纂所が平安遺文フルテキストデータベースで新訂増補国史大系の奈良・平安時代法制史料書目を公開した(2007-11-01)。今回公開されたのは、『類聚三代格』『弘仁格抄』『延暦交替式』『貞観交替式』『新抄格勅符抄』『類聚符宣抄』『別聚符宣抄』『政事要略』の8点で、『新訂贈補国史大系』(吉川弘文館)に収められた奈良・平安時代の法制史料となる。

利用するには、

東京大学史料編纂所データベースSHIPS for インターネット検索ページ
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/

からデータベース選択ページに移動し、

・データベース選択
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller

ここで、「平安遺文フルテキストデータベース」(平安遺文フルテキストDB)をクリックし、次いで同データベースのページの右上にある「項目検索」をクリックして「区分」の箇所で「除外(新訂増補国史大系所収)」を選択すればよい。現時点で約4700件のデータが収められている。

なお、このデータベースは、2000年度から2004年度にかけて実施された中核的研究拠点形成プログラム(COE)「前近代日本史料の構造と情報資源化の研究」と、2005年度から2008年度にかけて実施されている科学研究費補助金基盤研究「日本前近代史料の国際的利用環境構築の研究」の研究成果という。

東京大学史料編纂所のデータベースの扱いづらさについては、何度も指摘しているが、過去の記事を引用する形であらためてその問題点を指摘しておきたい。史料の電子化に対する東京大学史料編纂所の取り組みには感謝し、敬意を表するが、使い勝手を改善しないことにはせっかくの公開性もその価値が半減してしまうことに気づいてほしい。

すでに繰り返し述べてきているが、

・「東京大学史料編纂所、鎌倉遺文フルテキストデータベースを公開」(新着・新発見リソース、2006-10-17
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061017/1161018857
・「東京大学史料編纂所、サイトをリニューアル」(新着・新発見リソース、2007-05-24
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070524/1179934940
・「「作品を見ること」を特権化する精神」(編集日誌、2007-04-07)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070409/1176074046

あらためて2年前の指摘を掲げておきたい。

なお、利用にあたってはまず「東京大学史料編纂所データベース」のページに入り、利用するデータベースとして「鎌倉遺文フルテキストDB」を選択しなくてはいけない。せっかく優れたデータベースが多数あるにも関わらず、この構造のためデータベースに直接リンクして紹介できないことが多い。東京大学史料編纂所にはこの構造の見直しをお願いしたい。いち早くデータベースの開発に取り組んできた東京大学史料編纂所だが、ウェブでの発信における利便性や操作性の改善については無頓着すぎると思う。

・「東京大学史料編纂所、鎌倉遺文フルテキストデータベースを公開」(新着・新発見リソース、2006-10-17
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061017/1161018857

せっかく電子化し一般公開した史料をもっと利用者に身近にする工夫を徹底してはもらえないだろうか。

・「東京大学史料編纂所、所蔵史料目録データベースに影写本4点の画像データを追加」(新着・新発見リソース、2007-08-12
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070812/1186850915

東京大学史料編纂所データベースSHIPS for インターネット検索ページ
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/
東京大学史料編纂所
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
・「国史大系奈良・平安時代法制史料の全文データ公開」(東京大学史料編纂所)【PDF】
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/news/2007/hibun-news.pdf
・科学研究費補助金基盤研究「日本前近代史料の国際的利用環境構築の研究」
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/collaboration/2006/17202016.html