2008-06-10(Tue): 同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義(2008年度)

 

昨年11月に引き続き、

・「同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義」(編集日誌、2007-11-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071120/1195490785

 

同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義。前回同様、2講時に京田辺キャンパスで講義し、その後今出川キャンパスに移動して5講時を担当。資料は前回と大きくは変えていないが、演習の課題はまるまる差し替えている。

・「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」【PPT】(同志社大学図書館講習会、2008-06-11、於・同志社大学図書館)
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/doc/doshisha_univ_lib(20080610).ppt

ちなみに演習の課題は以下の通り。

以下の3問を15分以内に調べる。

  1. 今出川京田辺キャンパスにある施設のうち、名称が「○○館」という和名の施設は幾つあるか。
  2. 同じような和名の施設名称を持つ大学は他にどこがあるか。
  3. なぜ、それらの大学では和名の施設名が用いられているのか

1. についてはほぼ確実な答えがあるが、2. と3. はウェブを活用するだけでは絶対的な正解は出ないだろう。特に3. についてはこの問いを軸に深く掘り下げていけば、卒業論文修士論文にもなると思う。

さて、なぜこのような出題をしたのか、その理由を手短に記しておきたい。

私は10年以上、ウェブに親しみ、その間の時間の相当部分をウェブを渡り歩くことに割いてきた。その間に見たサイトの数は数十万はあるだろう。当然、検索エンジンも使い倒してきた。その経験だけに基づいても、検索エンジンの使い方にノウハウやテクニックといったものはほとんどない。いや、そもそもあってはいけない。確かに特定のドメイン内を検索することや、特定のファイルタイプだけを検索するといった手法は存在する。だが、それは所詮遅くても数年間で陳腐になるか、下手をすれば無意味になる技巧に過ぎない。即効性を求めたい職業人ならいざしらず、この先の人生のためにいま学んでいる学生に教えることではない、と私は思う。正直にいえば、職業人に対しても同じように思う。

同志社大学での昨年の講義を受けて書いた

・「探索:大学図書館の銘」(編集日誌、2007-11-18)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071120/1195490783

で紹介しているが、同志社大学の初代総長であるD・W・ラーネッドの言葉の通りだ。

LEARN TO LIVE AND LIVE TO LEARN.

我々は生きるために学び、学ぶために生きている。そのための力の養成・涵養に重きを置くのであれば、小手先のテクニックに意味があるとは思えない。学生の方々には、身の回りで当然のようにみていることに対して、疑問を持ち違和感を感じてほしい。そこから、自分自身の好奇心を刺激してほしい。そして、知的な好奇心や探究心を満たすために八方手を尽くしてほしい。そのとき、ウェブはもちろん必ず役に立つ。そして、最終的には一つの仮説を立てて、その仮説を検証できるようになってほしい。

このように考えて、このような課題を出した次第。

なお、上で述べたことはウェブに対する批判ととらえてほしくはない、特に図書館・情報学の関係者には。それは安易だ。一度、振り返って情報検索演習の類のテキストを読み返してほしい。テキストに掲げられている課題には知性が感じられるだろうか? そこにあるのは単なるクイズの一種ではないだろうか?

閑話休題

さて、ともあれ、まずは2. について候補となる大学をご存知の方はぜひご教示いただきたい。ちなみに、2回の講義の中では立命館大学大谷大学桜美林大学等が挙がっている。

ところで、ご本人が詳しく書いてくださっているが、ここでも何度かふれている瀧端真理子さんが学生の方々と一緒に講習会に参加してくださった。

・「近況など」(ミュージアムの小径、2008-06-04)
http://d.hatena.ne.jp/takibata/20080604/p1
・「ウェブ情報の効果的利用法(検索演習)」(ミュージアムの小径、2008-06-10)
http://d.hatena.ne.jp/takibata/20080610/p1

午後の今出川キャンパスの講習でも、わざわざ京田辺のキャンパスから駆けつけてくださった教員の方がいらした。ご多用のところを感謝したい。

この種の講習会の講師の依頼があれば、積極的に引き受けます。講習会を企画中の図書館員の方々からの連絡、あるいは講義の一部として取り入れてみたいとお考えいただける教員の方々からの連絡をお待ちしています。