2008-09-03(Wed): 第17回京都図書館大会で「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略」と題して講演

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7月以降何度かふれてきたが、

・「第17回京都図書館大会で基調講演の予定−9月3日(水)@同志社大学 寒梅館」(編集日誌、2008-07-17
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080720/1216545870
・「京都府内図書館サイトの訪問と京都市内図書館マップの作成−京都図書館大会に備えて」(編集日誌、2008-08-09)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080810/1218362384
・「京都図書館大会で話すこと」(編集日誌、2008-08-20)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080824/1219565040

2008-09-03(Wed):
第17回京都図書館大会「図書館からのアプローチ−新たな広報戦略」
(於・京都府同志社大学寒梅館)
http://www.library.pref.kyoto.jp/news.html#taikai

にて「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略−試論:観光支援によるLibrary inside」と題して講演させていただく。聴衆は約150名。

・「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略−試論:観光支援によるLibrary inside」【PPT】
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/doc/kyoto_lib(20080903).ppt

自分としては珍しくスライド枚数の多いプレゼンテーションをしてみた。途中思いのほか話の進み具合が早いことに気づき、アドリブを入れたのだが、結果として2分超過になってしまったのは反省材料。

講演終了後、2つのご質問と1つのご発言をいただいた。その場で答えたことを記しておこう。

まず一つ目は言ってみれば図書館が発信する情報が検索エンジンの検索結果で表示されやすくする方法。このご質問には、誰もが検索するキーワードではなく、ごく少数しか検索しない、しかし深い関心に根ざしたキーワードを重視することが重要と思うと答えた。たとえば、「京都観光」のようなメジャーな言葉(ビッグワード)ではなく、講演の中でもふれたような「京都 瑞泉寺」という言葉でヒットする検索結果の上位を目指すということ。質疑の中ではふれられなかったが、要は「神は細部に宿る」という言葉を信じるということだ。

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二つ目のご質問は、講演の大きなテーマの一つであった「情報の遍在」をオフラインで実現する方法。確かにコストと手間をかけないで図書館の機能をアピールするような「情報の遍在」を実現することはたやすいことではない。だが、重要なのはWin-Winの関係の中でどれだけ人のふんどしで相撲をとれるかということだ。講演の中でもふれたように、他人が使いたくなるような情報を率先して発信することはそのとっかかりになるだろう。その際に重要となるのは、彦根市による彦根城築城400年祭のキャラクター「ひこにゃん」の成功が示すように、あまり面倒な手続きを設けないことだと思う。

ひこにゃん特設サイト
http://hikonyan.hikone-150th.jp/
・国宝・彦根城築城400年祭公式サイト - イベントやひこにゃん情報
http://www.hikone-400th.jp/

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最後にすでに取り組まれている実践例を河口高志さん(京都市中央図書館)にご教示いただいた。特に京都市中央図書館一帯にある造酒司跡や京都市平安京創生館に関わる事例紹介だったが、これは非常に参考になった。

京都市平安京創生館
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/about/institution/honkan/heian3.html
京都市中央図書館
http://www.kyotocitylib.jp/chuo/

これについては別に記したい。

さて、自分の講演は午前中で終わり、午後は以下の3つの実践報告を拝聴した。

いずれも非常に参考となる報告だった。特に高井睦さんの話の巧さに感心したことは明記しておきたい。詳細については機会をみつつ追って。

ともあれ、今回は特に主催者の方々に感謝の一語に尽きる。京都府立図書館の方々を中心に、とにかくしっかりと準備していただいた。心から御礼申し上げたい。主催者サイドでは数名の方々が、平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会(2007-08-03、於・名古屋市立大学附属病院)での講演「公立大学図書館サイト診断−理想の図書館サイトを求めて 地域内連携の視点から」をお聴きいただいたという。あらゆる講義・講演に一期一会と思って臨んではいるが、どこかで自分の話を聴き、ご自身が主催するイベントに招いてくださるということはどんな讃辞よりもうれしいことだ。

・「平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会で講演」(編集日誌、2007-08-03)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070803/1186153130
・「平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会の講演記録が公開されている」(編集日誌、2008-03-30)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080331/1206968816

引き続き、講義・講演をさせていただく一回一回の機会を大事にして、同じようなお声がけをいただけるよう心掛けたいと思う。