国立女性教育会館(NWEC)、女性デジタルアーカイブシステムを公開(2008-10-15)
国立女性教育会館(NWEC)が女性デジタルアーカイブシステムを公開した(2008-10-15)。
・女性デジタルアーカイブシステム
http://w-archive.nwec.jp/
・「「女性デジタルアーカイブシステム」を公開しました」(国立女性教育会館(NWEC)、2008-10-15)
http://www.nwec.jp/jp/news/2008/page17.html
・国立女性教育会館(NWEC)
http://www.nwec.jp/
同会館に新たに設置された女性アーカイブセンターが所蔵する資料の目録と電子化した画像が収められている。資料の検索はキーワード、一覧、種別、年表、分野の5通りでできるようになっている。5つの検索方法の中で特筆すべきは年表方式だろう。1880年から2005年までの女性史年表が表示され、年表内の出来事に関わりのある資料があれば、そこからアーカイブに収録されている資料にアクセスできる。ただし、現時点ではアーカイブされた資料が少なく、年表の醍醐味が生かされていないのは残念。ここは今後の充実に期待するしかないだろう。
資料は大きくは「資料群」という名前で、
- 稲取婦人学級資料
- 第4回世界女性会議NGOフォーラム北京'95:国立婦人教育会館特別展示
- 国際婦人年記念切手・バッジ
- 文部省研究社会学級
- 海外婦人教育視察写真
- ベティ・フリーダン写真・サイン
- 全国婦人新聞社取材写真コレクション
- 日本キリスト教婦人矯風会資料(売春防止法関係)
- 奥むめおコレクション
- 犯罪防止及び犯罪者処遇に関する第2回国連アジア極東地域会議関係資料
という10ジャンルに分かれており、この下にさらに「小資料群」がある場合と、すぐに個々のデータである「件名」が収められている場合とがある。この構造は論理的ではあるが、実用上は理解しづらいだろう。元々の資料の構成を引き継いでいるのかも知れないが、特に「小資料群」がどのような意味を持っているのか、直感的に理解しづらい。たとえば、
・稲取婦人学級資料
http://w-archive.nwec.jp/index.php?action_fileList=true&back_action=action_searchSeriesList&pc=1&series_id=2&file_id=&item_id=
では、小資料群4件、件名75件が表示される。しかし、一覧表示の中では小資料群と件名が特に区別されず、混在してリストになっている。あえて概念構造を用いるのであれば、ここはインターフェース上も明確に区別するべきだろう。
その他、個々のデータのURLが非常に長い等、細かな改善点は確かにある。だが、貴重な女性資料の数々がアーカイブされ、ウェブで公開されるようになったその事実をまず喜びたい。同時に、国立女性教育会館(NWEC)には早期に利用者へのアンケートや専門家へのヒアリングを行い、次年度に向けた改善を考えていってほしい。
・「女性アーカイブセンター企画展示オープニングイベントを実施しました」(国立女性教育会館(NWEC)、2008-10-14)
http://www.nwec.jp/jp/news/2008/page16.html
・「女性アーカイブセンター企画展示「女性の高等教育の黎明〜チャレンジした女性たち〜」開催」
http://www.nwec.jp/jp/archive/tenji.html
・「女性アーカイブセンターの開設と国立女性教育会館の機会損失」(編集日誌、2008-06-13)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080615/1213542055