2009-11-11(Wed): 図書館総合展2日目−CiNii APIコンテストとGoogle文化と日本フォーラムで司会をし、貸出履歴フォーラムで講演
図書館総合展2日目。あいにくの雨でかなり寒い。今日は終日予定が入っており、司会2本に講演1本。
まず最初は、
・CiNiiリニューアル記念 ウェブAPIコンテスト優秀作品発表会
http://d.hatena.ne.jp/sogoten/20090929/p14
追々、国立情報学研究所のサイトにも応募作品すべてを含めて公開されると思うが、優秀作品は以下の5つ。
- β
- 結城市関連論文ナビゲーター
- http://www.lib-yuki.net/ronbun_navi.html
- 牧野雄二(ゆうき図書館)
- http://www.lib-yuki.net/ronbun_navi.html
- DashSearch
- Interoperable Database for Buddhist Studies
- http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php
- 永崎研宣(人文情報学研究所)
- http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php
- 逆引き検索システムPCR
私自身、審査にあたったわけだが、選外の作品も含めて秀作が多かったと思う。応募くださった方々に感謝したい。また、スポンサーとして、
2009-11-18(Wed):
DESIGN IT! Conference 2009「クラウド時代のユーザーエクスペリエンス」
(於・東京都/ベルサール汐留)
http://www.designit.jp/events/
への招待をはじめ、数々の特典を用意してくださった
・ソシオメディア
http://www.sociomedia.co.jp/
にも感謝したい。
しかし、私はこのACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)で2004年9月の試験公開以来、CiNiiに関する記事を20本ほど書いてきているのだが、APIコンテストの活用にまで来たかと思うと感慨深い。
・CiNii関連記事
http://d.hatena.ne.jp/arg/archive?word=*[CiNii]
多くの関係者の努力があってのことだが、中でも大向一輝さんという研究者としても実務家としても第一線の方をお迎えしたことが成功の大きな要因だと思う。その大向さんは、この11月から、国立情報学研究所(NII)の准教授に就任し、かつ兼務として学術基盤推進部学術コンテンツ課専門員にも就かれている。
・「国立情報学研究所の准教授になりました」(清澄日記、2009-11-02)
http://d.hatena.ne.jp/i2k/20091102/associate
昇進をお祝い申し上げるとともに、大向さんに適切な評価を下している国立情報学研究所(NII)の先生方に敬意を払いたい。
・「CiNiiの新たな広まりの可能性:CiNiiウェブAPIコンテスト」(ヨネザアドの学びの杜・遊びの海(米澤誠の公式ブログ)、2009-11-12)
http://blogs.yahoo.co.jp/bpxdx655/42234317.html
その後は、
・“グーグル文化と日本”−研究者、図書館の立場からグーグル・ブック構想を評価する
http://d.hatena.ne.jp/sogoten/20090929/p20
で司会を務めた。会場は立ち見も多く250名ほどの聴衆だったかと思う。高宮利行さん(元慶應義塾大学)と和田敦彦さん(早稲田大学)の講演は素晴らしく、自分自身大いに勉強になった。が、反面、いまの自分の能力ではダイナミックな討論をまとめ上げることが難しいことを思い知りもした。精進精進。
・The Realm of Takamiyans(高宮利行さん)
http://takamiyans.roundtable.jp/
・和田敦彦研究室(和田敦彦さん)
http://a-wada.blogspot.com/
緊張しまくったフォーラムだったが、高宮さん、和田さんにご著書にサインしていただけたのが個人的にはもっとも嬉しい。今日の日の記念でもあり大切にしよう。
・高宮利行著『グーテンベルクの謎−活字メディアの誕生とその後』(岩波書店、1999年、2205円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4000004441/arg-22/
・和田敦彦著『書物の日米関係−リテラシー史に向けて』(新曜社、2007年、4935円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788510367/arg-22/
本日最後は、
・貸出履歴を利用した新しい利用者支援の展開リターンズ
http://d.hatena.ne.jp/sogoten/20090929/p13
での講演。
「貸出履歴を巡る失われた歳月を超えて−議論と実行、そして決断」と題して前座的な話をさせてもらった。
・「貸出履歴を巡る失われた歳月を超えて−議論と実行、そして決断」
http://www.slideshare.net/arg_editor/lending-history20091111
資料に「貸出履歴問題を巡る近年の略史」というスライドを入れたのだが、ここに、
・當山仁健「利用者のプロフィールを考慮した連想検索OPACの構築」
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004857465/
を入れなかったのは失敗だった。當山さんに申し訳ないことをしてしまった。これまた痛く反省である。
他の方々の演題は以下の通り。
- 米田渉(成田市立図書館)「図書館のレコメンド機能『おすすめリスト』の発想」
- 小野永貴(筑波大学、Project Shizuku)「Web読書履歴サービスの動向から見るProject Shizukuの未来」
- 原田隆史(慶應義塾大学)「貸出履歴をもとにした図書の推薦実験」
米田さん、原田さんの話は最近うかがっていたので、小野さんの話が新鮮だった。そして、
・株式会社しずくラボ
http://www.szk.co.jp/
を設立し、来年2010年2月13日には、
・Shizuku2.0
http://www.shizuku.ne.jp/
を公開すると宣言した雄姿には胸を打たれた。
貸出履歴の活用構想もようやく、自分としては3年がかりだが、実現段階まで迫ってきた。そして、会場にお越しいただいた200名以上の聴衆の反応も想像以上によかったことが嬉しい。
なお、あらためて言うまでもないとは思うが、私は貸出履歴の活用がすべてと思っているわけではない。だが、講演でも述べたように、何か新しい提案があれば、すぐに、
- 教条的な思考停止派
- 理解する努力欠如派
- 使命を忘れた理論派
- 役割放棄の輸入依存派
となるその心持ちには反対だ。これは単に貸出履歴活用に留まらず、すべての図書館サービス、あるいはサービス全般のあり方について言いたいことである。
・「【2009年図書館総合展フォーラムレポートその4】2010.2.13に何かがおこる?! あるいは、「要は勇気がないんでしょ」in図書館―『貸出履歴を利用した新しい利用者支援の展開』リターンズ」(かたつむりは電子図書館の夢をみるか、2009-11-13)
http://d.hatena.ne.jp/min2-fly/20091113/1258145169