2010-06-05(Sat): 最近書いたもの−「大学の図書館」、本のある時間、レファレンス協同データベース事業参加館通信

最近書いた記事群。

・「リアルタイム/ライフログ時代の学術情報流通」(「大学の図書館」437、大学図書館問題研究会、2010-04-25)
http://www.daitoken.com/pub/contents/bulcont.html#no.4_10
・「神は細部に宿る−奈良県立図書情報館」(本のある時間、2010-05-28)
http://www.timewithbooks.com/monthly_special/06okamoto/vol11/p01/p01.html
・「情報の大海に浮かぶ岩礁に−Web標準への準拠とAPI公開の先へ」(「レファレンス協同データベース事業参加館通信」193、国立国会図書館関西館図書館協力課、2010-06-04)

最後の記事は、レファレンス協同データベースの参加館のみに配信されるメールマガジンなので、本文をここで紹介しておこう。

「レファレンス協同データベースに期待すること−Web標準API公開、レファレンス再定義」。こう題して、第4回レファレンス協同データベース事業参加館フォーラムで報告させていただいたのは2008年2月22日(金)のこと。

以来2年が過ぎましたが、ついにそのとき述べたWeb標準への準拠やAPI公開が実現されてきました。参加館どころか、図書館勤務でもない人間の問題提起を担当が変わっても絶えることなく受けとめ、実現してくれた関係者の方々には心から御礼を申し上げます。

さて、若干の課題はあるものの、Web標準に準拠する努力の結果、レファレンス協同データベースは検索エンジンからみつけやすくなりました。また、API公開によって、他のシステムとの連携も容易になりました(ちなみに、URLで言えば、< http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/ >以下にある約3万1500ページのうち、Yahoo! JAPANでは、1万8900ページが、Googleでは1万9600ページが検索できるようになっています)。

では、次なる課題は何でしょう?

私としては、2年前の報告の副題の最後に掲げた「レファレンス再定義」を挙げたいところです。ここ数年、毎回フォーラムに参加していますが、データの質に関わる議論を見聞きします。

しかし、断言しましょう。1件1件のレファレンスの間に質の差はありません。

質を考えている暇があるなら、とにかく1件でも多くの事例を登録しましょう。あなたの図書館では一見無用に思えても、必ず誰かがその事例を必要としています。類似した事例との重複も気にすることはありません。あなたの図書館でそのレファレンスがあったという事実が重要なのです。

とにかく、この先は量を増やすことに尽きます。Yahoo!知恵袋という質問数4000万件を超えるQ&Aサイトを創った者の実感としては、少なくとも100万件の事例が集まったとき、レファレンス協同データベースは皆さんの想像を遥かに超える存在になるはずです。

さあ、迷いを捨てて、いますぐ登録!
情報の大海にレファレンス協同データベースという岩礁を一つでも多く築きましょう。