青森県板柳町、広報紙・デジタルアーカイブを公開

青森県板柳町が広報紙・デジタルアーカイブを公開した(公開日不明)。1951年の創刊以来、月刊で発行されてきた町の広報紙が電子化されている。残念ながら一部の号は元の冊子がないのか、電子化されず欠落している。おそらく町内に毎号欠かさず手許に保存してきた町民がいるのではないか。町民に呼びかければ、欠号を補えっていけるように思えるが、実際はどうだろうか。ぜひ試みてほしい。

・広報紙・デジタルアーカイブ
http://www.town.itayanagi.aomori.jp/koho/index.asp
板柳町
http://www.town.itayanagi.aomori.jp/

広島市、広島市デジタル移民博物館を公開

広島市広島市デジタル移民博物館を公開した(2006-02-08)。広島市が収集した広島県出身の海外移民の資料約2200点を電子化している。広島県は実に11万人が海外に移住した最大の移民県で、今回電子化されたのは、過去に広島市が博物館建設のために収集した資料という。1998年に博物館建設の計画が凍結されたため、収集した資料が行き場を失っていたが、今回インターネットで公開されることになった。
収集した資料が死蔵されていた状態を思えば、今回の広島市デジタル移民博物館の公開は意義あることといえるだろう。だが、サイトの構成がその意義を損なっている。Flashを多用しすぎており、非常に閲覧しにくい。死蔵されていた資料をせっかく公開するのであれば、一日もはやくサイトをつくりなおしてほしい。

広島市デジタル移民博物館
http://dms-hiroshima.eg.jomm.jp/
広島市
http://www.city.hiroshima.jp/
・「広島市デジタル移民博物館開設」(海外移住資料館)
http://www.jomm.jp/special/2005/city-hiroshima.html

東洋文庫、所蔵画像データベースを公開(2005-11-07)

財団法人東洋文庫が所蔵画像データベースを公開した(2005-11-07)。データベースは同文庫が所蔵するモリソン文庫の西洋版画、彩色画、古地図、岩崎文庫の名所江戸百景、梅原考古資料を電子化したもの。分量が多い梅原考古資料については検索してデータを引き出せるようになっている。

東洋文庫所蔵画像データベース
http://61.197.194.13/gazou/gazou_index.html
・財団法人東洋文庫
http://www.toyo-bunko.or.jp/

国立民族学博物館、アクセサリー・身装文化ディジタルアーカイブを公開

国立民族学博物館が、アクセサリー・身装文化ディジタルアーカイブを公開した(2005-10-07)。これは、同館の久保研究室(1995年度までは大丸研究室)と大阪樟蔭女子大学高橋研究室が共同で作成したもので、データ分析と構造設計は、高橋晴子さん(大阪樟蔭女子大学)、久保正敏(国立民族学博物館)、中川隆さん(国立民族学博物館)、大丸弘さん(国立民族学博物館)、八村広三郎さん(立命館大学)、猿田佳那子さん(同志社女子大学)、田中昌美さん(愛知新城大谷短期大学)で構成するMCDプロジェクトが担当している。同プロジェクトは、以前から公開され、国立民族学博物館の主要コンテンツになっている服装・身装文化(コスチューム)データベースのデータ分析と構造設計も担当している。このデジタルアーカイブは、同館が有するアクセサリー標本資料の詳細分析情報1,761件、画像情報2,308件(6,764枚)、その他の関連情報を収録しており、検索すると、さまざまな地域と時代のアクセサリーの基本情報と画像を閲覧できる。収録されているデータの内容は申し分ないが、検索キーワードの入力画面や検索結果の表示画面は、まだ使いやすいとはいいがたい。インターフェース面での改善を期待したい。

・アクセサリー・身装文化ディジタルアーカイブ
http://www.minpaku.ac.jp/database/accessory.html
・服装・身装文化(コスチューム)データベース
http://www.minpaku.ac.jp/database/
国立民族学博物館
http://www.minpaku.ac.jp/

2005-09-01(Thu):

防災の日。なぜ、関東大震災に特化したデジタルアーカイブがないのだろうか。国立科学博物館横浜市中央図書館、土木学会附属土木図書館がそれぞれ資料の電子化を行っているが、政府が事業として取り組むべきことではないか。防災の日だけ、催しを集中的に行うより、いつでも使えるデジタルアーカイブを整備するほうが意味がある。当時の被害状況だけではなく、その後の社会不安のなかで起きた虐殺事件など、幅広い観点で歴史を伝えるデジタルアーカイブを構築することには、災害に対する事前啓発として非常に有用だろう。内閣府や中央防災会議が取り組むべきことだと思うが、いかがだろうか。ちなみに、阪神・淡路大震災については、消防庁による阪神・淡路大震災関連情報データベースや阪神・淡路大震災記念協会による阪神・淡路大震災教訓情報資料集、神戸大学附属図書館による震災文庫がある。

国立科学博物館地震資料室
http://research.kahaku.go.jp/rikou/namazu/
横浜市中央図書館 - 関東大震災を調べる
http://www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/library/shinsai/
・土木学会附属土木図書館 - 関東大震災復興工事関係写真集
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/shinsai/kanto/
・防災情報のページ(内閣府防災担当)
http://www.bousai.go.jp/
・中央防災会議
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/
阪神・淡路大震災関連情報データベース(消防庁
http://sinsai.fdma.go.jp/
阪神・淡路大震災教訓情報資料集
http://www.hanshin-awaji.or.jp/kyoukun/
阪神・淡路大震災記念協会
http://www.hanshin-awaji.or.jp/
・震災文庫
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/
神戸大学附属図書館
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/

2005-08-14(Sun):

東海日日新聞社の報道によれば、豊橋市が構築を予定している「とよはしアーカイブス」のための資料提供を市民に呼びかけている。昔の市内の様子を写した写真を市民から集め、デジタルアーカイブ化するようだ。アーカイブ構築の素材となる写真の収集段階から市民に参加してもらうことは、アーカイブへの理解を深め、構築後の利用を促進するうえで優れた方法だろう。ただ、記事からは「とよはしアーカイブス」の全体像がわからないので、豊橋市のサイトを調べたところ、写真募集のポスターだけがみつかった。ポスターには、デジタルアーカイブに関する説明が不足しており、このままで市民の理解や協力が得られるだろうか、やや不安になる。また、「お貸しいただいた写真はとよはしアーカイブスとしていろいろな形で公開、閲覧させていただきます」という断り書きがあるのだが、これだけでは具体的な利用のされ方がわからず、協力したくてもためらう市民が出てくるのではないだろうか。

・「とよはしアーカイブス」写真募集(東海日日新聞社、2005-06-25)
http://www.tonichi.net/articledetail.php?artid=9019
・とよはしアーカイブス(豊橋市)【PDF】
http://www.city.toyohashi.aichi.jp/bu_kikaku/toshinkassei/pdf/kodomo/arkaives.pdf

2005-07-24(Sun):

ふれるのが遅くなってしまったが、先月末に元文部事務次官・木田宏さんが83歳で亡くなった。個人的には、教育雑誌の編集者をしていたときの執筆者の一人である。だが、なによりも教育委員を公選制から任命制へと変更した地方教育行政法に関与するなど、戦後の教育史の生き証人であっただけに残念な訃報。だが、岐阜女子大学デジタルミュージアムで、木田宏教育資料アーカイブスの構築が進められている。木田さんが故人となったいまは、故人に代わって戦後教育史の断面を語ってくれるよう、このアーカイブスが一日も早く完成することを期待したい。

・木田宏教育資料アーカイブ
http://dac.gijodai.ac.jp/vm/kida/
岐阜女子大学デジタルミュージアム
http://dac.gijodai.ac.jp/