東京大学附属図書館、鴎外文庫書入本画像データベースを公開(2006-04-03)

東京大学附属図書館が鴎外文庫書入本画像データベースを公開した(2006-04-03)。東京大学総合図書館が所蔵する森鴎外の旧蔵書コレクションを収めた鴎外文庫のうち、主に森鴎外の自筆写本や書入本を電子化している。

・鴎外文庫書入本画像データベース
http://rarebook.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ogai/
・「鴎外文庫書入本画像データベースの公開について」(2006-04-03
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/koho/news/news/soto_06_04_03.html
東京大学附属図書館
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/
東京大学情報基盤センター
http://www.itc.u-tokyo.ac.jp/

東京大学大学院情報学環、第一次世界大戦期プロパガンダ・ポスター・コレクションを公開(2006-04-04)

東京大学大学院情報学環第一次世界大戦プロパガンダ・ポスター・コレクションを公開した(2006-04-04)。このポスター・コレクションは、同学環が所蔵するもので、現在661点が電子化されている。5年を要した電子化にあたっては、ポスターの印刷方法を確認する版式調査を行い、現在とは異なる独特の技術でつくられた第一次世界大戦期のポスターの実態を明らかにしている。この経緯は「Enterprise Watch」誌が詳しく伝えている。アーカイブの構築には同学環の吉見俊哉研究室が中心となってあたり、FileMaker社をはじめ、内外からの幅広い協力があったようだ。

第一次世界大戦プロパガンダ・ポスター・コレクション
http://archives.iii.u-tokyo.ac.jp/
・「東京大学大学院情報学環「戦争とメディア」研究プロジェクト デジタル・アーカイブ第一次世界大戦プロパガンダ・ポスター コレクション」のインターネットでの一般公開」(東京大学大学院情報学環2006-04-05
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/gnrl_info/news/list06/01.html
吉見俊哉研究室
http://www.yoshimi-lab.org/
吉見俊哉研究室のブログ(2006-0404)
http://d.hatena.ne.jp/yoshimi-lab/20060404#1144163696
東京大学大学院情報学環
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/
・「東京大学 大学院情報学環 第一次世界大戦プロパガンダポスターのデータベース化やインターネットでの一般公開のために、FileMaker 8 製品ラインを採用」(ファイルメーカー株式会社、2006-04-04
http://www.filemaker.co.jp/news/p20060404_1.html
・「東京大学×FileMaker 知の文化遺産、いまこそ広く未来に伝えたい」(ファイルメーカー株式会社)
http://www.filemaker.co.jp/solutions/posters.html
・「「第一次世界大戦プロパガンダ・ポスター コレクション」のデータベース化およびインターネットでの一般公開について」(ファイルメーカー株式会社)
http://www.filemaker.co.jp/solutions/posters_db.html
・「「職人芸」をデジタル技術で伝達」(Enterprise Watch2006-04-07
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/04/07/7576.html
・「東大、第一次大戦期のプロパガンダポスターをアーカイブ化して一般公開」(INTERNET Watch2006-04-04
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/04/04/11508.html
・「第一次世界大戦期のポスター661点をデジタル化、東大」(@IT2006-04-05
http://www.atmarkit.co.jp/news/200604/05/iii.html

国立民族学博物館、ネパール写真データベースを公開(2006-04-12)

国立民族学博物館がネパール写真データベースを公開した(2006-04-12)。データベースに収められた写真は1958年の「西北ネパール学術探検隊」(隊長:川喜田二郎さん)に参加した高山龍三さんらが現地で撮影した3,584点と、同隊がネパールで収集した標本資料の295点の合計3,879点。検索には、地図から探す、物から探す、テーマから探すの3種類があり、特に地図から探すは、ネパールに詳しい人、詳しくない人のいずれにとっても使いやすいだろう。
なお、制作者の紹介ページでもふれられているが、制作を統括したのは同館の南真木人さん。他の関係者の氏名も制作者の紹介に挙げられている。

・ネパール写真データベース
http://www.minpaku.ac.jp/Nepal/
・南真木人さん
http://www.minpaku.ac.jp/staff/minami/
国立民族学博物館
http://www.minpaku.ac.jp/

2006-04-07(Fri): 利用されるデジタルアーカイブ

デジタルアーカイブはほうぼうで構築・公開はされるものの、利用・活用は決して活発ではない。が、京都新聞が伝えるように、なかばビジネスとして成功しているケースもある。記事中では詳しくふれられていないが、京都国際文化交流財団が運営するデジタルアーカイブの活用例といえるだろう。

・「二条城「松鷹図」複製を設置 京都御池中の新校舎に」(京都新聞2006-03-23
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006032300093&genre=F1&area=K1C
・京都国際文化交流財団
http://www.kyo-bunka.or.jp/

2006-03-19(Sun): 秀逸な名前 −ありのままの熊本アーカイブス

ありのままの熊本アーカイブスという熊本県が運営するデジタルアーカイブの存在を知った。すみずみまで見渡したわけではないが、よくできていて便利そうだ。さて、名前がすばらしい。「ありのままの熊本アーカイブス」。名は体を現すというほどには、まだアーカイブ自体が発展途上にあるが、「ありのままの」という表現は地域のデジタルアーカイブが目指す方向性をよく伝えている。

都道府県や区市町村がつくっているデジタルアーカイブで、他にどんな秀逸な名前があるだろうか。推薦歓迎(自薦可)。

・ありのままの熊本アーカイブ
http://www.pref.kumamoto.jp/arinomama/

2006-03-22(Wed): 広島市デジタル移民博物館の一時閉鎖をめぐって

ブラジルで発行されている日本語とポルトガル語バイリンガル紙「ニッケイ新聞」が、先日本誌でも紹介した広島デジタル移民博物館の内容に問題が多いことを伝えている。調べてみると、地元の中国新聞も「移民博物館ミス多発 広島市開設」(2006-03-18)と、すでに報道しているようだ。すでに広島市はサイトを一時閉鎖している。

自分にできることの限界があるとは思うが、内容に問題のあるサイトを紹介したことを恥じる。

さて、本誌で紹介する際に、

収集した資料が死蔵されていた状態を思えば、今回の広島市デジタル移民博物館の公開は意義あることといえるだろう。だが、サイトの構成がその意義を損なっている。Flashを多用しすぎており、非常に閲覧しにくい。死蔵されていた資料をせっかく公開するのであれば、一日もはやくサイトをつくりなおしてほしい。

とコメントしている。適切な言い方ではないが、今回の問題発生とサイトの一時閉鎖は良い機会である。広島市には内容はもとより、サイトの構成についても全面的な見直しを図ってほしい。

ところで、一時閉鎖されている広島市デジタル移民博物館のサイトには、

広島市デジタル移民博物館は、現在、内容の一部を修正中です。ご迷惑をおかけいたします。」

と述べられているだけだが、なぜ閉鎖し修正中なのか、広島市は経緯を明記するべきだろう。それがニッケイ新聞が伝えている元移民の方々の怒りに対する誠意というものではないだろうか。また、広島市デジタル移民博物館は税金を使って構築し運用している資産でもある。その資産を一時閉鎖する以上、その説明責任という観点からも、経緯を明示すべきだろう。

批判を浴び広島市の担当者の方々には苦しい日々だろうが、ここは踏ん張ってほしい。広島市デジタル移民博物館の公開当初、次のように伝えられた。過去に広島市が博物館建設のために資料を収集したが、1998年に博物館建設の計画が凍結された。行き場を失っていた資料を無駄にしないため、今回インターネットで公開することとなった。この経緯が事実なら、やはり広島デジタル移民博物館の意義は大きい。今回の問題がなぜ発生したのか、その検証結果を加えて、もう一度新たなスタートを切ってほしい。

・「間違いだらけの広島ネット資料館=憤る関係者=「歴史ゆがめる内容」=市、認識の甘さを露呈=JICA「入れ物を貸しただけ」」(ニッケイ新聞、2006-03-22
http://www.nikkeyshimbun.com.br/060322-71colonia.html
・「広島デジタル博物館=サンパウロはアマゾン?=考えられないミス連発」(ニッケイ新聞、2006-03-22
http://www.nikkeyshimbun.com.br/060322-72colonia.html
・「移民博物館ミス多発 広島市開設」(中国新聞2006-03-18
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200603180067.html
・広島デジタル移民博物館
http://dms-hiroshima.eg.jomm.jp/
・「広島市広島市デジタル移民博物館を公開」(本誌「新着・新発見リソース」)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20060212/1139672815

2006-03-01(Wed): デジタルアーカイブのビジネスモデル

財団法人京都国際文化交流財団と日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)がデジタルアーカイブ事業で提携するという。日本HPのプレスリリースでは、提携のポイントが3点挙げられているが、なかでも

HPはプリンティング分野のみならず、サーバ、ストレージ及びシステム開発にまでいたる自社のポートフォリオを駆使し、文化財データの保存や文化遺産のオンデマンドプリンティングなど、財団とともに新しいビジネスモデルを研究・提案する。

と、具体的なビジネスモデルの構築に言及している点に期待させられる。保存を超えて、利用を視野に入れた、デジタルアーカイブの第一歩として記憶しておきたい。

・「HP、日本の文化遺産をNYで再現・デジタル技術駆使」(IT-PLUS、2006-03-02
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?i=2006030203393ea
・「財団法人京都国際文化交流財団とHP 芸術文化遺産デジタルアーカイブ事業で提携」(日本ヒューレット・パッカード株式会社、2006-03-02
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2006/fy06-065.html
・「芸術文化財を次世代に継承するHPイメージング&プリンティングソリューション」(日本ヒューレット・パッカード株式会社)
http://h50146.www5.hp.com/products/printers/designjet/dfa/
・日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/country/jp/ja/
・「屏風絵『堅田図』を大徳寺 瑞峯院 襖絵として高精細復元」(財団法人京都国際文化交流財団、2006-02-02)【PDF】
http://www.kyo-bunka.or.jp/pdf/20060202.pdf
・財団法人京都国際文化交流財団
http://www.kyo-bunka.or.jp/
・ARTEXPO
http://www.artexpos.com/