2007-04-28(Sat): ウェブで育む「中世」という枠組み−Medieval Studies in Japan(MSIJ)の試み

・Medieval Studies in Japan(MSIJ)
http://medievalstudiesinjapan.jot.com/

を主宰している赤江雄一さんから、サイトをご紹介いただいた。このサイトの狙いはトップページにあるように、

日本には、文学、歴史学、哲学、神学、音楽学、歴史言語学などの様々な学問分野において、ヨーロッパの中世をあつかう研究者と数多くの学会が組織されています。しかしながら、それらをまたぐ(overarching)な「中世学会」というものは存在していません。その結果、日本国内では、研究成果は、それぞれの分野の学会誌のなかで流通しており、それらの学会をまたいだ「中世学者」の交流は限られています。このウェブサイトMedieval Studies in Japan(MSIJ)は、それぞれの学問分野の蓄積を尊重しつつも、それを超えた「中世学」あるいは「中世研究」という大きな枠組みの必要性について述べるとともに、多様な研究分野間の交流を加速していくための活動の場として構想されました。

というもの。なぜ、日本におけるヨーロッパ研究において、「中世」という横断的な枠組みが、学会のような形でこれまで形成されてこなかったのだろうか。これ自体が一つの研究対象となりそうなテーマであり、おそらく各分野でも論じられていることなのだろう。
さて、研究史の問題はひとまず脇に置き、Medieval Studies in Japan(MSIJ)という試みに注目したい。サイトはWikiを中心にしつつ、はてなアンテナlivedoorレンタル掲示板:したらばを使って構築されている。無料のウェブサービスを活用することで、どのような情報共有が実現し、最終的な目標の達成につながっていくだろうか。