2008-01-12(Sat): 献本いただいた二冊−『愛媛大学「研究室からこんにちは!」』と『日本の出版流通における書誌情報・物流情報のデジタル化とその歴史的意義』

年末年始にかけて『愛媛大学「研究室からこんにちは!」』と『日本の出版流通における書誌情報・物流情報のデジタル化とその歴史的意義』をいただいた。取り急ぎ、紹介しておきたい。

愛媛大学「研究室からこんにちは!」』(アトラス出版、2007年、500円)は、南海放送ラジオで毎週金曜日に15分間放送されるインタビュー番組を再構成したもの。収録されているのは放送が開始された2006年6月から2007年4月までの放送分で21人の愛媛大学教員へのインタビューが収められている。この本の特筆すべき点はまずなによりも価格だろう。税込で500円という破格の値段になっている。その意図を愛媛大学学長の小松正幸さんが学長ブログでつづっている。

高校生にも読んでいただきたいと思い、経営的には大赤字ですが、ワンコイン(500円)という価格とし、愛媛県内の書店で販売しています。
また、県内の高校、公立図書館には寄贈させていただくことにしていますので、是非、手にとって読んでいただきたいと思います。

・「愛媛大学「研究室からこんにちは!」」(無為自然Blog、2008-01-08
http://stuwebmin.stu.ehime-u.ac.jp/blog/muishizen.php?itemid=344

特に受験生を意識した大学広報の一貫ということだろう。客観的にどれほどの効果があるのかはわからないが、個人的な経験に基づけば、高校に配布する意義は小さくないと思う。横浜で高校時代を過ごした自分の場合、神奈川大学が地域の高校に配布していた『学問への誘い』という本を浪人が確定し卒業するときに、高校の教員からいただいた。『学問への誘い』という言葉の響きが、その後の自分の進路選択に影響したことは確かであったように思う。

・学問への誘い
http://www.kanagawa-u.ac.jp/06/shuppanbutsu/10.html

愛媛大学「研究室からこんにちは!」』も決してベストセラーになる必要はなく、しかし、この本を読んで大学に目を向ける高校生や、願わくば愛媛大学を母校とする学生が増えれば十分目的は達せられるだろう。

なお、ラジオ番組としての「研究室からこんにちは!」はいまも放送中で、その内容はポッドキャスティングで配信されている。

愛媛大学 - 愛媛大学「研究室からこんにちは!」
http://www.ehime-u.ac.jp/topics/radio/
南海放送ラジオ - 愛媛大学「研究室からこんにちは!」
http://ncs2.rnb.co.jp/blog/konnichiwa/
・『愛媛大学「研究室からこんにちは!」』(akamac book review、2007-12-28)
http://d.hatena.ne.jp/akamac/20071228/1198833595

日本の出版流通における書誌情報・物流情報のデジタル化とその歴史的意義

もう一冊は、

・『日本の出版流通における書誌情報・物流情報のデジタル化とその歴史的意義』(湯浅俊彦著、ポット出版、2008年、3360円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4780801117/arg-22/

最近、書誌情報や書誌構造について特に考えていることがあるので、まずは本書をじっくりと読むつもり。目次を紹介しておこう。

第1章 日本図書コードおよびISBN導入問題とは何か
第2章 流対協の日本図書コードおよびISBN表示保留とその解除─日本の出版業界の“南北問題”
第3章 出版流通対策協議会と第2次ISBN論争
第4章 市民運動・労働運動の視点から見た日本図書コードおよびISBN問題
第5章 日本図書コードおよびISBN導入をめぐる図書館界の動向
第6章 電子タグの導入と出版流通合理化
第7章 結論
【資料編】【日本図書コードおよびISBN関係年表】【日本図書コードおよびISBN関係文献表】【参考文献】【索引】

http://www.pot.co.jp/pub_list/pub_book/ISBN978-4-7808-0111-8.html

2005-09-18の編集日誌(湯浅さんの前著『出版流通合理化構想の検証 ISBN導入の歴史的意義』の紹介)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20050919/1134798166