2010-02-25(Thu): 松岡資明著『日本の公文書−開かれたアーカイブズが社会システムを支える』(ポット出版、2010年、1890円)

日本の公文書─開かれたアーカイブズが社会システムを支える

公文書管理法(公文書等の管理に関する法律)の施行が1年後の2011年4月に迫ったこの時期。

公文書等の管理に関する法律
http://law.e-gov.go.jp/announce/H21HO066.html

イムリーに、

・松岡資明著『日本の公文書−開かれたアーカイブズが社会システムを支える』(ポット出版、2010年、1890円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4780801400/arg-22/
http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0140-8.html

が刊行された。

この出版を祝う会が有志で企画され、私も末席に加えていただいた。

本書自体へのレビューは別途書くつもりだが、公文書管理法の成立のいわば縁の下の力持ちとして支えた松岡さんならではの労作と思う。すでに読み終えているのだは、現時点での印象を述べれば、まず文章の読みやすさが素晴らしい。決して簡単な話ではない公文書管理の課題を非常に的確にまとめており、私のように公文書管理はかなり門外漢の人間にとってもわかりやすい。今後アーカイブス関係の入門書の定番になっておかしくないだろう。

ちなみに、すでに幾つかのレビューが書かれている。

・「新着文献『日本の公文書 開かれたアーカイブズが社会システムを支える』松岡資明著 ポット出版」(ブログもんじょ箱、2010-01-15)
http://www.tokushu-papertrade.jp/digimon/mon-blog/2010/01/post-72.html
・「松岡資明著『日本の公文書』”謹呈”に感謝、 うれしく拝読」(みんなの広場、2010-01-21)
http://yokonohiroba.jp/?eid=20
・「「公文書」の管理とアーカイブ化が喫緊の課題」(整腸亭日乗、2010-02-13)
http://d.hatena.ne.jp/PreBuddha/20100213

以下が目次となる。

  • はじめに
  • I 公文書管理法はなぜ、必要なのか
    • 公文書管理法は何のための法律か
    • 「公文書」は国民共有の知的資源
    • 情報公開とアーカイブ
    • 日本の現実
    • 杜撰な文書管理は日本の伝統か?
  • II 公文書管理法の成り立ち
    • 公文書管理法成立へ
    • 公文書管理法
    • 公文書管理法の課題
    • III 深くて広いアーカイブズの海
    • 深くて広いアーカイブズの海
    • 知られざる“負の遺産
    • 記録は時代の証人−1 市川房枝
    • 記録は時代の証人−2 満鉄・藤原豊四郎
    • 記録は時代の証人−3 横浜正金銀行資料
    • 記録資料は力
  • IV デジタル化の功罪
    • 研究資源共有化システム
    • SMART-GS
    • デジタル化とMLA連携
    • デジタル・ジレンマ
  • V 記録資料を残す意味
  • VI 記録資料を残すには
  • あとがき
  • 巻末資料 日本の公文書館一覧
  • 巻末資料 参考URL一覧

なお、本書は電子書籍版(.book形式)でも販売されている。

ポット出版 - 【電子書籍版】日本の公文書
http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-5003-1.html
理想書店 - 日本の公文書
http://www.dotbook.jp/risoushoten/items/info/pot0003-rvtcrt

ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)第411号(2010-01-25)に掲載したインタビュー「電子書籍元年!、年頭からポット出版が動いた!−沢辺均さん(ポット出版)に聞く」もお読みいただけると幸い。

・ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG)第411号(2010-01-25)
http://archive.mag2.com/0000005669/20100125232500000.html