学習院大学人文科学研究所、サイトをリニューアル(2008-08-20)

screenshot

学習院大学人文科学研究所がサイトをリニューアルした(2008-08-20)。

学習院大学人文科学研究所
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/rihum/
学習院大学人文科学研究所の過去のサイト
http://web.archive.org/web/*/http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/rihum/

サイトの内容に大きな変更はないが、

・共同研究プロジェクト一覧
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/rihum/f_project2.html

の内容が最新のものになっているようだ。リニューアル以前から学習院大学人文科学研究所では、所内の研究プロジェクトの内容紹介に力を入れており、たとえば

今井邦彦教授プロジェクト『認知と伝達』
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/rihum/project_imai.html

のように、各プロジェクトの過程と成果が発信されている。学内資金でのプロジェクト研究は各地の大学で行われているが、その内容の発信はそれほどされていないという印象がある。その中で学習院大学人文科学研究所の発信ぶりは貴重な先行例だろう。とはいえ、まだ、終了分を含めてすべてのプロジェクトの内容が発信されているわけではない。同研究所には、引き続き共同研究プロジェクトの過去と現在、そして未来が伝わるようなコンテンツの生成に力を入れてほしい。

文部科学省、YouTubeに公式チャンネルを開設(2008-08-07)

screenshot

文部科学省YouTubeに公式チャンネルを開設した(2008-08-07)。

YouTube - 文部科学省チャンネル
http://jp.youtube.com/mextchannel
・「『YouTube文部科学省公式チャンネルの開設について」(文部科学省2008-08-07
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/08/08080810.htm
文部科学省
http://www.mext.go.jp/

YouTubeの利用は一部の大学が取り組んでいるが、中央省庁のチャンネル開設は文部科学省が初となる。

しかし、本稿執筆時点では、

チャンネル登録者: 287
チャンネル再生回数: 29,144

に留まっており、利用者はあまり増えていない。公開からすでに一ヶ月が経過しているが、

・「『YouTube文部科学省公式チャンネルの開設について」(文部科学省2008-08-07
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/08/08080810.htm

で述べられた「一層積極的な情報発信」や「文部科学省の施策に関する情報を発信する手段の多様化迅速化」はまだ実現していない。まだ開始初期ではあるが、この伸び悩みの原因を一つだけ考えておきたい。

そもそもコンテンツが魅力に欠けるという指摘もあるが、それ以前に「多くの閲覧者の存在するYouTubeで動画配信を行う」という認識に文部科学省の限界を感じる。確かにYouTubeは多数の利用者を集めている。しかし、だからといってチャンネルを開設すればすぐさま文部科学省のチャンネルに利用者が流れ込んでくるわけではない。まずは文部科学省自身が集客努力をする必要がある。たとえば、文部科学省のサイトのトップページにYouTubeのチャンネルを一部表示し、登録した番組を再生可能にするといったことは最低限の努力としてなされるべきだろう。

国立西洋美術館、開館50周年特集のサイトを公開(2008-08-04)

screenshot

国立西洋美術館が開館50周年特集のサイトを公開した(2008-08-04)。

国立西洋美術館 - 開館50周年特集
http://www.nmwa.go.jp/jp/50th/
国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/

国立西洋美術館は1959年6月10日に開館しており、2009年に開館50周年を迎えるという。「50周年記念に関する情報をお届けしてまいります」という意気込みに期待したいが、自前のコンテンツが皆無のまま公開後1ヶ月が過ぎたことは残念。そして気になるのは、特定の外部サイトの紹介で終わっていることだ。これでは特集サイトを公開した意味がない。また、なぜ

・美術館.com
http://www.bijutsukann.com/

という外部のサイトだけがクローズアップされているのか、その意味もよくわからない。50周年は一度しか巡ってこないイベントである。国立西洋美術館には、自館について、あるいは西洋美術について、社会の幅広い関心と支持を呼び起こすような積極的なサイト運営を望みたい。

国立国語研究所、「近代文語UniDic」ver.0.8を公開(2008-08-01)

screenshot

国立国語研究所が「近代文語UniDic」のver.0.8を公開した(2008-08-01)。

・「近代文語UniDic」ver.0.8
http://www.kokken.go.jp/lrc/index.php?UniDic
・言語データベースとソフトウェア
http://www.kokken.go.jp/lrc/
国立国語研究所
http://www.kokken.go.jp/

「近代文語UniDic」は、近代文語文を解析するための形態素解析辞書で明治期の文語論説文の一般的な文章であれば、解析精度は96%から98%にのぼるという。なお、今回公開されたのは、ver.0.8という表示があるようにまだ完成版ではない。しかし、2008年度中には完成版を公開する計画で進行しているという。利用条件に合致する限りは誰でも近代文語UniDicのWindowsパッケージとバイナリ辞書をダウンロードできるので、関心のある方にはぜひ利用し、また完成に向けて指摘や提案といった形で協力してほしい。

専門図書館関係の有志、メーリングリスト「専門図書館ML」を開設(2008-08-01)

screenshot

専門図書館関係の有志がメーリングリスト専門図書館ML(sp-lib)」を開設した(2008-08-01)。

専門図書館ML
http://groups.yahoo.co.jp/group/sp-lib/

このメーリングリストは2007年に開催された専門図書館協議会の平成19年度全国研究集会の後、1年間限定で開設されていたメーリングリストの終了を受けて有志が立ち上げたもので、茂原暢さん(実業史研究情報センター)が中心となって活動している。

なお、専門図書館MLと謳ってはいるが、専門図書館員であることが参加条件というわけではなく、広く一般に開かれている。

・茂原暢「「情報の扉の、そのまた向こう」−実業史研究情報センターの活動」(本誌第317号、2008-04-07)
http://archive.mag2.com/0000005669/20080407011324000.html

LITERIS、医学系レファレンス事例集を公開(2008-07-15)

screenshot

リテリス:図書館員によるウェブ医学医療情報リソース選集(LITERIS:Health Science Information Sites by Japanese Librarians)で医学系レファレンス事例集が公開された(2008-07-15)。

・医学系レファレンス事例集
http://plaza.umin.ac.jp/~literis/cgi-bin/fswiki/wiki.cgi?page=LITERISian_RefDB
・リテリス:図書館員によるウェブ医学医療情報リソース選集(LITERIS:Health Science Information Sites by Japanese Librarians)
http://literis.umin.jp/

国立国会図書館のレファレンス協同データベースに掲載されているレファレンス事例から、

  1. 学情報提供サービスにおけるレファレンス事例
  2. 一般市民への健康情報提供サービスにおけるレファレンス事例・調べ方マニュアル

を紹介している。

・レファレンス協同データベース
http://crd.ndl.go.jp/jp/public/

の賢い利用方法の一つとして覚えておきたい。

・「医学系図書館員による「リテリス:図書館員によるウェブ医学医療情報リソース選集」、リニューアル」(新着・新発見リソース、2007-09-09)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070909/1189268264

2008-09-20(Sat):

北海道大学総合博物館・形の科学会共催シンポジウム 形シューレ2008「分子のかたち展−サイエンス×アート」サイエンスとアート、出会いのかたち
(於・北海道/北海道大学総合博物館)
http://art.dialog.jp/form/center_main.html

2008-10-08(Wed):

ミュージアム・プロフェッショナルセミナー2008 第3回「パブリック・ドメイン収蔵品資料の活用へ向けて−美術館・博物館収蔵の映像資料のフェア・ユースを考える」第3回「浮世絵コレクションの収蔵品デジタル・カタログ化プロジェクト(JPADP=Japanese Print Access and Documentation Project)」
(於・東京都/慶應義塾大学 三田キャンパス)
http://note.dmc.keio.ac.jp/topics/archives/424

2008-09-03(Wed): 第17回京都図書館大会で「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略」と題して講演

screenshot

7月以降何度かふれてきたが、

・「第17回京都図書館大会で基調講演の予定−9月3日(水)@同志社大学 寒梅館」(編集日誌、2008-07-17
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080720/1216545870
・「京都府内図書館サイトの訪問と京都市内図書館マップの作成−京都図書館大会に備えて」(編集日誌、2008-08-09)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080810/1218362384
・「京都図書館大会で話すこと」(編集日誌、2008-08-20)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080824/1219565040

2008-09-03(Wed):
第17回京都図書館大会「図書館からのアプローチ−新たな広報戦略」
(於・京都府同志社大学寒梅館)
http://www.library.pref.kyoto.jp/news.html#taikai

にて「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略−試論:観光支援によるLibrary inside」と題して講演させていただく。聴衆は約150名。

・「いま図書館に求められる新たなウェブ活用戦略−試論:観光支援によるLibrary inside」【PPT】
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/doc/kyoto_lib(20080903).ppt

自分としては珍しくスライド枚数の多いプレゼンテーションをしてみた。途中思いのほか話の進み具合が早いことに気づき、アドリブを入れたのだが、結果として2分超過になってしまったのは反省材料。

講演終了後、2つのご質問と1つのご発言をいただいた。その場で答えたことを記しておこう。

まず一つ目は言ってみれば図書館が発信する情報が検索エンジンの検索結果で表示されやすくする方法。このご質問には、誰もが検索するキーワードではなく、ごく少数しか検索しない、しかし深い関心に根ざしたキーワードを重視することが重要と思うと答えた。たとえば、「京都観光」のようなメジャーな言葉(ビッグワード)ではなく、講演の中でもふれたような「京都 瑞泉寺」という言葉でヒットする検索結果の上位を目指すということ。質疑の中ではふれられなかったが、要は「神は細部に宿る」という言葉を信じるということだ。

screenshot

二つ目のご質問は、講演の大きなテーマの一つであった「情報の遍在」をオフラインで実現する方法。確かにコストと手間をかけないで図書館の機能をアピールするような「情報の遍在」を実現することはたやすいことではない。だが、重要なのはWin-Winの関係の中でどれだけ人のふんどしで相撲をとれるかということだ。講演の中でもふれたように、他人が使いたくなるような情報を率先して発信することはそのとっかかりになるだろう。その際に重要となるのは、彦根市による彦根城築城400年祭のキャラクター「ひこにゃん」の成功が示すように、あまり面倒な手続きを設けないことだと思う。

ひこにゃん特設サイト
http://hikonyan.hikone-150th.jp/
・国宝・彦根城築城400年祭公式サイト - イベントやひこにゃん情報
http://www.hikone-400th.jp/

screenshot

最後にすでに取り組まれている実践例を河口高志さん(京都市中央図書館)にご教示いただいた。特に京都市中央図書館一帯にある造酒司跡や京都市平安京創生館に関わる事例紹介だったが、これは非常に参考になった。

京都市平安京創生館
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/asny1/about/institution/honkan/heian3.html
京都市中央図書館
http://www.kyotocitylib.jp/chuo/

これについては別に記したい。

さて、自分の講演は午前中で終わり、午後は以下の3つの実践報告を拝聴した。

いずれも非常に参考となる報告だった。特に高井睦さんの話の巧さに感心したことは明記しておきたい。詳細については機会をみつつ追って。

ともあれ、今回は特に主催者の方々に感謝の一語に尽きる。京都府立図書館の方々を中心に、とにかくしっかりと準備していただいた。心から御礼申し上げたい。主催者サイドでは数名の方々が、平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会(2007-08-03、於・名古屋市立大学附属病院)での講演「公立大学図書館サイト診断−理想の図書館サイトを求めて 地域内連携の視点から」をお聴きいただいたという。あらゆる講義・講演に一期一会と思って臨んではいるが、どこかで自分の話を聴き、ご自身が主催するイベントに招いてくださるということはどんな讃辞よりもうれしいことだ。

・「平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会で講演」(編集日誌、2007-08-03)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20070803/1186153130
・「平成19年度公立大学協会図書館協議会研修会の講演記録が公開されている」(編集日誌、2008-03-30)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080331/1206968816

引き続き、講義・講演をさせていただく一回一回の機会を大事にして、同じようなお声がけをいただけるよう心掛けたいと思う。