2005-09-22(Thu): 『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』を読了

「もし、いま他の本を読んでいたとしても、いったんその本を閉じなさい。そして、この本を手に取って読み始めるべきだ。あらゆる人に対して、そう断言できる一冊である」という森山和道さんの言葉を受けて、読み出した『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』(ジム・ドワイヤー、ケヴィン・フリン著、三川基好翻訳文藝春秋、1890円)を読了。森山さんの言葉通りの内容。圧倒され、読みふけった。

・『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』(ジム・ドワイヤー、ケヴィン・フリン著、三川基好翻訳文藝春秋、1890円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163674306/arg-22/
森山和道さんの日記(2005年9月9日付)
http://www.moriyama.com/diary/2005/diary.htm#diary.05.09.09

2005-09-23(Fri): 住民基本台帳と学術研究

総務省が「住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する検討会報告書(素案)」に関する意見の募集を始めた。すでに報道されているように、個人情報保護の流れを受けて、住民基本台帳の閲覧を制限する案が出ている。世論調査、学術調査、市場調査での閲覧が制限される恐れがあるというが、学術調査については最終的にどのような結論になるだろうか。総務省は、パブリックコメントを受け付けを始めており、締め切りは10月6日(木)の17時まで。学会関係では、財団法人日本世論調査協会が住民基本台帳の閲覧問題対策委員会を設置し対応しているようだ。さて、私は学術調査に対しては、当然閲覧制限はないほうがいいと思うのだが、そもそも住民基本台帳を用いた学術調査としてどのような調査が行われているのかがわからない。社会調査関係に詳しい方、具体的な研究成果をご存知であれば、教えてください。

・「住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する検討会報告書(素案)」に関する意見の募集
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050922_1.html
住民基本台帳の閲覧制度等のあり方に関する検討会
http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/daityo_eturan/
・財団法人日本世論調査協会住民基本台帳の閲覧問題対策委員会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/japor/org/daityo.htm
・財団法人日本世論調査協会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/japor/

2005-09-24(Sat): 国際文化会館図書室の室長(正職員)ノ募集

国際文化会館国際文化会館図書室の室長(正職員)を募集している。年齢制限はないのだが、応募条件の一つである「蔵書構築業務・レファレンス業務・目録(とくに洋書)業務等の実務経験が15年程度ある方が望ましい」を考えると、40歳以上が応募の目安ということだろうか。だが、同じく応募条件の一つである「OPACやデータベースなどITについての知識を有し必要な環境整備が出来る方」という点を考えると、もう少し柔軟に若い世代を登用する気概を持ってほしい。
ちなみに、国際文化会館は来春のリニューアルに向けて、現在一部が閉鎖されている。その一方で、「来春オープンの新施設の披露を兼ねた来年度以降の事業計画として」いくつかのプログラム案が検討されている。そのなかには、「情報発信の強化」という項目があり、「ホームページの充実や電子メールによるニューズレターなど、広報機能を強化する」とある。このような事業を担える人材の採用もぜひ進めてほしい。

国際文化会館図書室長募集要項
http://www.i-house.or.jp/ihj_j/librar_j/positionhead_j.htm
国際文化会館図書室
http://www.i-house.or.jp/ihj_j/librar_j/
国際文化会館プログラム委員会からのお知らせ
http://www.i-house.or.jp/ihj_j/programcommittee_j/oshirase.htm
国際文化会館
http://www.i-house.or.jp/

2005-09-25(Sun): メールマガジン「キャリアデザインマガジン」がすばらしい

日本キャリアデザイン学会のメールマガジン「キャリアデザインマガジン」を最近愛読している。学会発行のメールマガジンは多くもなく、少なくもないというところだが、ほとんどは会員に対する事務的な連絡やイベント情報が多く、会員以外にはいまひとつ面白みがないことが多い。また、配信先を会員に限定している学会も多く、メールマガジンという媒体を有効に活用できていないとも感じている。そのなかにあって、日本キャリアデザイン学会の「キャリアデザインマガジン」は、毎回キーワード解説や書評といった記事が充実しており、幅広い読者層を意識していることがうかがえる。メールマガジンの冒頭に掲げられている「キャリアに関心のある人が楽しく読める情報誌」をめざす、という所信が、誌面に見事に反映されているのだ。編集委員は、荻野勝彦さん(トヨタ自動車)と児美川孝一郎さん(法政大学)のお二人。実際の編集実務もお二人で行っているのか、それとも他に編集メンバーがいるのか不明だが、お二人で行っているとしたらたいしたものだ。尊敬してしまう。広く開かれた学術系メールマガジンのすぐれた先例として、さらに大きな媒体になっていってほしい。

・日本キャリアデザイン学会
http://www.cdi-j.jp/
・キャリアデザインマガジン
http://www.cdi-j.jp/melma.html

2005-09-26(Mon):

財団法人大学基準協会が、平成17年度「特色ある大学教育支援プログラム」フォーラムを全国で順次開催する。開催地は、横浜、福岡、新潟、広島、名古屋、札幌、京都の全国7都市。フォーラムでは「特色ある大学教育支援プログラム」に選定された大学によるポスターセッションとシンポジウムが行われるという。このようなオフラインでの催しは非常に大切だが、広く一般市民の参加を期待するならば、開催日がいずれも1日限りで、かつ平日という点は改善してほしい。また、参加できない方々への配慮と、同時に幅広い広報という観点からは、ポスターセッションの内容をインターネットで公開する、つまりインターネットでフォーラムを開催するといった発想がほしい。
・平成17年度「特色ある大学教育支援プログラム」フォーラムについて
http://www.juaa.or.jp/sien-program/h17/forum.html
・平成17年度「特色ある大学教育支援プログラム」フォーラム・シンポジウム参加申込みについて
http://www.juaa.or.jp/form/10/
・財団法人大学基準協会
http://www.juaa.or.jp/
文部科学省 - 特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/tokushoku/shien.htm

2005-09-27(Tue):

独立行政法人労働政策研究・研修機構が職員を募集している。応募の締め切りは10月14日。さまざまな点で厳しさを増す環境にある独立行政法人だが、少なくともインターネットを使った学術的な発信・広報に関わりたいという学生の方には職場としておススメしたい。
・平成18年度職員募集について【PDF】
http://www.jil.go.jp/information/documents/20050915.pdf
独立行政法人労働政策研究・研修機構
http://www.jil.go.jp/

2005-09-28(Wed):

財団法人科学技術広報財団が運営する日本科学未来館が、広報スタッフを募集している。応募資格の一つに、「できればの希望条件」と断り書きはあるが、「編集・デザイン及びWebの運用等についての知識と経験を有する方」とあることからすると、日本科学未来館のサイト運営に関わる職種なのだろう。このような募集はもっともっと増えていってほしい。
・広報スタッフ募集
http://www.miraikan.jst.go.jp/j/info/2005/if_0916_2.html
日本科学未来館
http://www.miraikan.jst.go.jp/
・財団法人科学技術広報財団
http://www.pcost.or.jp/

2005-09-29(Thu):

個人のホームページは実名で発信しつつ、ブログでの発信となると匿名になってしまう研究者が案外多いような気がする。正確な調査をしたわけではない。しかし、なぜだろうか。一つ考えられるのは、意図せず、結果的に匿名となっているケースだ。さまざまなサイトを見ていると、個人ホームページからブログにはリンクしているものの、その逆、つまりブログから自分の個人ホームページにはリンクしていないケースが散見される。
・個人ホームページ → ブログ
完全に匿名にしたければ、上のようなリンクを設ける必要はないわけで、意図して匿名としているわけではないのだろう。察するに、発信する本人としては、基点は個人ホームページであり、そこから枝葉が広がるようにブログへとつながっている、という意識があるのだろう。だから、
・ブログ → 個人ホームページ
というリンクを設けていない、あるいは設け忘れてしまうのかもしれない。リンクで行き来できるのが、インターネットの便利な点であり、魅力であると思うと、これは改善してほしい。
一方、意図して匿名で研究に関わるブログを書いているケースだが、正直私は好きではない。その手のブログはおうおうにして、研究者やその予備軍である大学院生の不平不満に満ちている。特に「事務仕事が多くて研究が進まない」とはよくみかける声だ。もちろん、その声がかなりの程度で事実に基づいていることはよくわかるつもりだ。だが、せめてもう少し前向きで建設的な発信ができないだろうか。たとえば、自分が取り組む研究のおもしろさを語れないだろうか。あるいは、日常に潜む研究の芽を発見した感動を伝えられないだろうか。その場合、匿名である理由はないように思うが、実際にブログを書かれている方の心境はどうなのだろうか。

2005-09-30(Fri):

明日、10月1日はいくつかの大学や独立行政法人、企業が合併・統合する。たとえば、富山大学富山医科薬科大学高岡短期大学富山大学としての統合や日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の日本原子力研究開発機構(原研機構)としての統合、三菱東京フィナンシャル・グループUFJホールディングス三菱UFJフィナンシャル・グループとしての統合がある。かねてから指摘してきたことだが、統合に際して旧組織は消滅しても、旧組織のサイトまでは消滅させないようにするべきだ。過去の情報として、ファイル一つ失うことなくアーカイブとして公開していく見識をこれらの統合関係者に持ってほしい。
富山大学
http://www.toyama-u.ac.jp/
富山医科薬科大学
http://www.toyama-mpu.ac.jp/jp/index.html
高岡短期大学
http://www.takaoka-nc.ac.jp/
・(新)富山大学
http://sindaihp.toyama-u.ac.jp/
・日本原子力研究所
http://www.jaeri.go.jp/
核燃料サイクル開発機構
http://www.jnc.go.jp/
原子力二法人統合準備会議
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/001/
三菱東京フィナンシャル・グループ
http://www.mtfg.co.jp/
UFJホールディングス
http://www.ufj.co.jp/

2005-10-01(Sat):

日本スリービー・サイエンティフィック株式会社というドイツの人体模型や医学教材のメーカーからメールをいただき、同社が発行しているメールマガジン「毎日2分でサクサク読む医療・健康ニュース」の存在を知る。コンスタントに発行されており、確かに役立ちそう。医学・医療関係者はもちろん、健康全般に関心を持つ方には、特におススメしたい。平日は毎日配信され、無料で登録できる。読者の立場からすれば、このメールマガジンはニュース配信に特化した日刊版と製品情報などの広報に特化した月刊版にわかれているのがうれしい。企業が発行するメールマガジンは、ややもすると、営業色が強くなりがちだが、あらかじめ日刊版と月刊版でメールマガジンの性格・役割を明確に分けたのは一つの見識。
・毎日2分でサクサク読む医療・健康ニュース
http://www.3bs.jp/mailmag/
・日本スリービー・サイエンティフィック株式会社
http://www.3bs.jp/

2005-10-02(Sun):

独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所が研究員を募集している。職務内容が、「独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所が行っている美術に関する調査・研究、及びそれらに基づく資料の作成と公表、文化財に関するデジタルアーカイブの構築と運用」ということで、要するにデジタルアーカイブに明るい人材を求めているようだ。応募資格の4項目のうち、
(2)日本絵画史(近世を中心に)に関する調査・研究の経験を有する者
(3)デジタルアーカイブの構築と運用を担える者
とあるのだが、「デジタルアーカイブの構築と運用を担える者」を重視して採用してほしいものだ。決して特定分野での専門的な知識を軽視するわけではないが、「日本絵画史(近世を中心に)に関する調査・研究の経験を有する者」より、「デジタルアーカイブの構築と運用を担える者」を確保するほうが、いまははるかに重要だと思う。なお、募集の締め切りは10月14日(金)。
独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所研究員の募集について
http://www.tobunken.go.jp/japanese/boshu050909.html
独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所
http://www.tobunken.go.jp/

2005-10-03(Mon):

千田大介さんが監訳した『Chinese Culture Review 中国文化総覧』の第1巻、第2巻が刊行された。版元は好文出版。日本語版では、原書で割愛された項目が大量に復活しているなど、単なる翻訳にとどまらない意欲的な出版となっている。
・『Chinese Culture Review 中国文化総覧』公式Wiki
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/~ccr/
・電脳瓦崗寨(千田大介さん)
http://wagang.econ.hc.keio.ac.jp/
好文出版
http://www.kohbun.co.jp/

2005-10-04(Tue):

国民生活センターのサイトが公開10周年を迎えたという。過去10年の変遷が年表形式で紹介されている。特に10年前の公開当初のトップページをみることができる。この夏に同じく10周年を迎えた朝日新聞社asahi.comといい、ちょうど10年前、Windows95が一種の社会現象になった年に、一斉にさまざまなサイトがスタートしたことを実感する。
・開設10周年記念企画
http://www.kokusen.go.jp/now/10shunen.html
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/
・asahi.com10周年特集
http://www.asahi.com/10th/

2005-10-06(Thu):

「情報の科学と技術」55-10(情報科学技術協会)の特集は「学術情報リポジトリ」。なかなか充実した特集となっている。なかでも高木元さんの「研究者にとってのセルフアーカイビング」が、GNUフリー文書利用許諾契約書に基づく形で掲載されているのが目を引く。
・「情報の科学と技術」
http://www.infosta.or.jp/journal/journal.html
情報科学技術協会
http://www.infosta.or.jp/
・ふみくら(高木元さん)
http://www.fumikura.net/
・高木元「研究者にとってのセルフアーカイビング」
http://www.fumikura.net/other/jyohokg.html

2005-10-08(Sat):

統合から1週間が経った富山大学日本原子力研究開発機構三菱UFJフィナンシャル・グループだが、富山大学日本原子力研究開発機構は統合前の各機関のサイトを残し、三菱UFJフィナンシャル・グループは、三菱東京フィナンシャル・グループUFJホールディングスのサイトを閉鎖という結果になった。富山大学の場合は、旧富山大学のサイトから新富山大学のサイトへと、ドメインも変更している。富山大学日本原子力研究開発機構には、引き続き旧機関のサイトの保存にあたってほしい。
ちなみに、新・富山大学の場合、合併した富山大学富山医科薬科大学高岡短期大学のサイトがすでに国立国会図書館のインターネット資源選択的蓄積事業(WARP)で保存・公開されている。ただし、いずれも公開されているデータが2004年までのものなので、最新のデータをアーカイブしてほしい。日本原子力研究所は一部のページがインターネット資源選択的蓄積事業(WARP)で保存・公開されている。核燃料サイクル開発機構は、一切保存されていない。完全なデータを一日もはやく保存し、公開してほしい。
残念なのは、三菱東京フィナンシャル・グループUFJホールディングスのサイトが失われたことだ。三菱UFJフィナンシャル・グループは、来年1月1日は東京三菱銀行UFJ銀行三菱東京UFJ銀行への統合を行う。その際は、今度こそ東京三菱銀行UFJ銀行のサイトを保存してほしい。特に、UFJ銀行のサイトには、UFJ銀行貨幣資料館(旧東海銀行貨幣資料館)のような貴重なコンテンツがあるだけに、適切に対応してほしい。
しかし、こう願うだけではもはや手遅れになることは明らかだ。アーカイビングをテーマにする学会や研究者の間では、企業・団体の吸収・合併で古いサイトが失われていくことへの危機感はないのだろか。近代建築が取り壊しのうきめにあう際に、建築系の学会が保存要請を行うことがあるが、同じようなことを行うようアーカイブ関係者は考えてはいないのだろうか。
富山大学(新サイト)
http://www.u-toyama.ac.jp/
富山大学(旧サイト)
http://www.toyama-u.ac.jp/
富山医科薬科大学
http://www.toyama-mpu.ac.jp/jp/index.html
高岡短期大学
http://www.takaoka-nc.ac.jp/
日本原子力研究開発機構
http://www.jaea.go.jp/
・日本原子力研究所
http://www.jaeri.go.jp/
核燃料サイクル開発機構
http://www.jnc.go.jp/
三菱UFJフィナンシャル・グループ
http://www.mufg.jp/
三菱東京フィナンシャル・グループ
http://www.mtfg.co.jp/
UFJホールディングス
http://www.ufj.co.jp/
東京三菱銀行
http://www.btm.co.jp/
UFJ銀行
http://www.ufjbank.co.jp/
UFJ銀行貨幣資料館
http://www.ufjbank.co.jp/ippan/gallery/kahei/kahei.html
・インターネット資源選択的蓄積事業(WARP
http://warp.ndl.go.jp/
国立国会図書館
http://www.ndl.go.jp/

2005-10-09(Sun):

「研究業績」という言葉をよく聞く。だが、あらためて考えてみると、この言葉は厳密に定義されているのだろうか。「研究業績」の定義が知りたい。研究者の方々が自分の研究業績をまとめる際は、どのような定義にしたがっているのだろうか。査読や審査の有無ということではなく、明文化された規定を知りたい。たとえば、「広島大学総合科学部教員選考における審査基準」では、研究業績とは、「学位、学術論文、学術著書、学術訳書、紀要論文、国際会議会議録論文、総説、招待講演、外部資金獲得状況、特許、共同研究実績、学会賞など」をいうと定義されている。このような明文化された規定を数多く知りたい。本誌をお読みの研究者の方々、ご存知のことがあれば、ぜひ教えてください。
広島大学総合科学部教員選考における審査基準
http://home.hiroshima-u.ac.jp/souka/e_kyousyokuin/e-4_regulation/h16/44.html

2005-10-10(Mon):

漢字文献情報処理研究」第6号が刊行される。私も「『季刊・本とコンピュータ』が残したもの」という書評を寄稿している。字数の制約上、原稿からかなり削ったものとなっているので、自分としては満足できる内容ではないのだが、やむをえないか……。いずれ拡大版をどこかに掲載したいものだ。
・「漢字文献情報処理研究」第6号
http://www.jaet.gr.jp/jj/6.html
漢字文献情報処理研究会
http://www.jaet.gr.jp/

2005-10-11(Tue):

東京神学大学の松永希久夫名誉教授(前学長)が亡くなった。72歳。直接、教えを受ける機会はなかったが、大学がキリスト教系だったため、『歴史の中のイエス像』(NHKブックス、966円)を読んだことを思い出す。
・東京神学大名誉教授、前学長の松永希久夫さんが死去(asahi.com
http://www.asahi.com/obituaries/update/1011/004.html
・松永希久夫の著書訳書編書論文等の一覧
http://home.interlink.or.jp/~suno/yoshi/references/tuts/work_matsunaga.htm
・『歴史の中のイエス像』(NHKブックス、966円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140015721/arg-22/

2005-10-12(Wed):

日本学術会議が会員の若返りを図り、体制を一新したことがニュースになっている。日本学術会議は、1949年に設立された日本の科学者の内外に対する代表機関。日本学術会議の新しい体制の在り方に関する懇談会が最終報告書を出すなど、最近は改革の流れがいちじるしい。このような体制の改革や刷新に先行して、学術情報の電子化に関する提案や報告を相次いで出している。「電子媒体学術情報の恒久的な蓄積・保存・利用体制の整備・確立」「我が国英文学術誌による学術情報発信の推進について」「物理系学術誌の将来に向けて:−工学系分野の立場から−」の3本。このような動きがあることは喜ばしいが、電子メディアの学術利用において日本学術会議の存在感は実に乏しい。新たに任命された第20期会員の方々には、電子化への取り組みを期待したい。ただ、顔ぶれをみたところ、個人で学術サイトを運営している方や組織での学術情報の電子化に関わってきた方はほとんどいない。見通しには悲観的になってしまうが、まずは外部の声に耳を傾けるところから始めてほしい。
日本学術会議会長コメント(2005-09-15
http://www.scj.go.jp/ja/info/comment/050915.html
日本学術会議の改革について
http://www.scj.go.jp/ja/scj/arikata/
日本学術会議の新しい体制の在り方に関する懇談会
http://www.scj.go.jp/ja/scj/kondan/
・第20期会員一覧
http://www.scj.go.jp/ja/info/member/
日本学術会議
http://www.scj.go.jp/

2005-10-13(Thu):

独立行政法人産業技術総合研究所の地質調査情報センターが「地質図ライブラリー」を開設し、公開した。旧地質調査所の時代から、100年以上に渡って、収集してきた資料を収めているという。すごい。ただ、問題は所在地がつくば市という点だろう。早くインターネットでの公開を進めてほしい。
・「地質図ライブラリーを開設 −国内外地質図類の情報提供公開を強化−」(2005-09-28)
http://www.aist.go.jp/aist_j/announce/au2005/au0928/au0928.html

2005-10-14(Fri):

と、書いた翌日に地質図ライブラリーのサイトが公開されていた。サイトの出来は、まだまだ貧弱なものだが、これからに大いに期待。
・地質図ライブラリー
http://www.gsj.jp/Lib/library/
・地質調査情報センター
http://www.gsj.jp/

2005-10-15(Sat): "Stand on the shoulders of giants"(巨人の肩にのって)

本の執筆はそこそこ順調に進行している。書きながら、あらためて思うことは、多くの先達の存在があってこそ、いまの自分の存在や活動があるということ。私は研究者ではないが、それでも"Stand on the shoulders of giants"(巨人の肩にのって)、いまの自分があることを忘れないようにしたいし、それを本のなかに生かしたいと思う。

2005-10-16(Sun): 個人ホームページを持つ最高齢研究者は?

個人サイトを持ち、自分で管理している方で最高齢の方はどなただろうか? 下世話な話ではあるが、70代前後の方々のサイトを最近ポツポツとみかけるようになったので、ふと気になる。私の知る限りでは、1931年生まれの富永健一さんが最高齢なのだが、富永さん以上にご高齢の方で、ご自分でサイトを運営されている方はいるのだろうか。ご存知の方、情報をお寄せください。

富永健一ホームページ
http://members3.jcom.home.ne.jp/knch.tominaga/

2005-10-17(Mon):

研究者に限らず、個人発信の学術サイトに注目してきたが、自分のなかで抜け落ちている感じがするのが、学芸員という存在だ。これは私が関心を持ってこなかったということではないように思う。そうではなく、学芸員が個人の立場で発信しているサイトがあまりないのではないか。大阪市立自然史博物館徳島県立博物館の方々のような例もあるが、それはごく一部に過ぎない。また、学芸員によると思われるサイトもあるが、実名を明かしていないケースが目立つ。なぜだろう? 理由も知りたいが、まずは学芸員の個人サイトをよく知りたい。自薦他薦を問わないので、知っているサイトがあれば教えてほしい。
学芸員の紹介(大阪市立自然史博物館
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/2about/member.html
学芸員の部屋(徳島県立博物館
http://www.museum.comet.go.jp/gakugei.htm

2005-10-19(Wed):

昨日紹介したブログ本は版元が朝日新聞社朝日新聞はIT系に関心があるのか、関心がないのか、ちょっとわかりにくい。IT分野に明るい記者がいるというイメージもあまりないが、どういう人がいるのだろう。とはいっても、新聞の記者と出版局の編集者は基本的に別の職種なので、どうこういえないとは思うのだが……。

2005-10-20(Thu):

数日前に学芸員の個人サイトの話をしたが、博物館や美術館のサイトに話を広げると、展示会のサイトがどうもぱっとしない。ポスターをそのまま引き伸ばしたような薄い印象のサイトばかりではないか? サイトをみて、思わず現地に足を運びたくなるような、そう思わせるような展示会サイトはないのだろうか。みなさんのオススメを教えてください。

2005-10-21(Fri):

漢字文献情報処理研究会の会誌「漢字文献情報処理研」6が発行された。巻末の書評に「『季刊・本とコンピュータ』が残したもの」を寄稿。お読みいただければ幸い。
・「漢字文献情報処理研」6
http://www.jaet.gr.jp/jj/6.html
漢字文献情報処理研究会
http://www.jaet.gr.jp/

2005-10-24(Mon):

司書は当然として、生物分類技能検定有資格者や準自然分類学者(パラタクソノミスト)といった分類に関わる資格があるが、他にはどのようなものがあるのだろうか。
・準自然分類学者(パラタクソノミスト)
http://nature.sci.hokudai.ac.jp/taxonomy/
・生物分類技能検定
http://www.jwrc.or.jp/Approval/top.html

2005-10-25(Tue):

国立科学博物館で開催中のパール展が話題のようだ。とはいえ、実際に上野公園まで足を運ぶというのは首都圏在住者でもめんどうなこと。インターネットでもう少し展示内容を食指を動かすような内容で公開してくれるといいのだが……。
・「パール」展
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2005/pearl/
国立科学博物館
http://www.kahaku.go.jp/

2005-10-26(Wed):

いつからなのだろうか、国立情報学研究所学協会情報発信サービスの新着情報が2005年8月以降の新着情報だけになっている。それ以前の履歴がすべて削除されてしまっている。せっかくの履歴なのだから、過去分を削除する必要はないと思うのだが、なぜ削除してしまったのだろうか……。不可解で不思議だ。過去の情報の重要性を考えて、ぜひ復活させてほしい。
・新着情報(国立情報学研究所学協会情報発信サービス)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/whatnew-j.html
国立情報学研究所学協会情報発信サービス
http://wwwsoc.nii.ac.jp/

2005-10-27(Thu):

2005-11-11(Fri)に東京国立博物館「博物館情報処理に関する調査研究プロジェクト」公開研究会が開催される。このイベントの情報を東京国立博物館はPDF形式で提供している。不便このうえない。この程度の文書を、わざわざAdobe Readerを起動しなくてはいけないPDF形式で提供する理由がわからない。いやみではなく、難しい情報処理研究に取り組み時間があるなら、まずは、こういう最低限の基本を身につけるべき。東京国立博物館の関係者には猛省してほしい。
東京国立博物館「博物館情報処理に関する調査研究プロジェクト」公開研究会【PDF】
http://www.tnm.go.jp/jp/misc/docs/20051111joho_kenkyukai.pdf
・お知らせ(東京国立博物館
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00&processId=04

2005-10-28(Fri):

東京大学法学部白書2003-2004』(東京大学法学政治学研究科・法学部編、東京大学出版会)がまもなく刊行されるという。5250円也。高すぎる。そもそも、このような内容の本を出版する意味があるのだろか。インターネットでの公開を強く望む。
・『東京大学法学部白書1997-1998』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4130010743/arg-22/
・『東京大学法学部白書1999-2000』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4130010751/arg-22/
・『東京大学法学部白書2001-2002』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/413001076X/arg-22/
・『東京大学法学部白書2003-2004』
http://www.utp.or.jp/shelf/200511/001077.html

2005-10-29(Sat):

昨年の12月に国立国会図書館で行った講演を文章にした「国立国会図書館への評価と期待」を掲載した「ず・ぼん」11が刊行され、版元のポット出版から一部送られてきた。これまでいろいろな媒体に自分の書いたものを掲載してきてもらったが、やはり活字になったものをみるとうれしい。ぜひご購入いただければ幸い。「Copy & Copyright 複写と著作権」を運営する末廣恒夫さんの「書籍・雑誌への貸与権の適用と図書館」や版元であるポット出版沢辺均さんの「どこかに[右翼と左翼]という図式でモノを考えてたところがあったんだと思う」が秀逸。特に船橋西図書館で起きた蔵書破棄事件に対して、「図書館とメディアの本」をうたう「ず・ぼん」がとった姿勢を厳しく自己批判した沢辺さんの一文は身を正させられる。一冊2100円と決して安くはないが、ぜひお買い求めいただきたい。
・「ず・ぼん」11
http://www.pot.co.jp/pub_list/pub_book/ISBN4-939015-82-3.html
・「ず・ぼん
http://www.pot.co.jp/zu-bon/
・Copy & Copyright 複写と著作権
http://members.at.infoseek.co.jp/copy_and_copyright/