2009-04-09(Thu): 読書記録−横山伊徳、石川徹也編著『歴史知識学ことはじめ』(勉誠出版、2009年、1785円)

・「買おうかどうか迷う本−『歴史知識学ことはじめ』と『社会科学情報のオントロジ−社会科学の知識』」(編集日誌、2009-03-18)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090322/1237692876
・「いただいた本−『歴史知識学ことはじめ』『レファレンスサービスのための主題・主題分析・統制語彙』『法情報サービスと図書館の役割』」(編集日誌、2009-04-04
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090405/1238918528

と紹介してきた

・横山伊徳、石川徹也編著『歴史知識学ことはじめ』(勉誠出版、2009年、1785円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4585003061/arg-22/

を読み終えたので簡単な感想を。目次は以下の通り。

  • 歴史知識学のめざすもの(横山伊徳)
  • 序章 「歴史知識学の創成」研究(石川徹也)
  • 第1部 歴史知識化システム研究−情報学の立場から
    • 第1章 史料のデジタル化(前沢克俊、伊藤直之)
    • 第2章 史料検索システム(伊藤直之)
    • 第3章 編纂史料からの人物情報の抽出(北内啓、城塚音也)
    • 第4章 人物史データベースの構築(赤石美奈)
    • 第5章 翻刻支援システム(山田太造)
  • 第2部 編纂研究の共有化プロジェクト−歴史学の立場から
    • 第6章 鎌倉遺文を対象とするVirtual Laboratory構築プロジェクト(遠藤基郎)
    • 第7章 21万通の古文書を集める(近藤成一)
  • 第3部 歴史知識学への期待
    • 第8章 歴史知識学の意義(松岡資明)
    • 第9章 文理融合研究への期待(堀浩一)
    • 第10章 討論−歴史知識学の可能性
  • おわりに−「歴史知識学の創成」ことはじめ(石川徹也)

http://www.bensey.co.jp/book/2091.html
を基に著者等を追加。

さて、本書は、

2008-11-22(Sat):
東京大学史料編纂所 前近代日本史情報国際センター 公開研究会「歴史知識学の創成」
(於・東京都/東京大学 山上会館)
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/index-j.html

の内容を一部再構成したもので、この研究会は以下のプラグラムで実施されている。発表題目の右に矢印で附したのは該当すると思われる本書の章。

東京大学史料編纂所 前近代日本史情報国際センター 公開研究会「歴史知識学の創成」【PDF】
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/news/2008/cdps_workshop_2008.pdf

本書は、伝統的な学問である歴史学に情報学という比較的新しい学問の手法を取り入れてきたこの四半世紀の現状報告といったところだろうか。図書館学と情報学がもっと接近するべきである、つまり両者は離れすぎていると主張することが多い自分としては、歴史学、特に東京大学史料編纂所における取り組みは、こういった分野間融合の可能性を示してくれる内容であり、その点では十分に満足感のある内容だ。だが、同時に本書の書名にも掲げられている歴史知識学の現時点での限界も感じさせられた。

第3章「編纂史料からの人物情報の抽出」(北内啓、城塚音也)にこういう記述がある。

「人物情報抽出システム」の開発プロジェクトの中心的な取り組みは人物データベースの構築ですが、最終的にはそれを活用するための検索・閲覧システムも必要になります。
(43〜44頁)

以降、それでは使いやすい検索・閲覧システムを実現するためには何が必要かが論じられるのだが、この中心的な取り組みとしてのデータベースの構築と、最終的な活用形としての検索・閲覧システムの開発の対比は、本書を語る上で非常に象徴的だ。

大学や企業に籍を置く歴史学や情報学の研究者によって語られるデータベース構築の実際は、多くの人が抱いている歴史学のイメージを鮮やかに打ち砕いてくれるだろう。ともすれば、埃をかぶった古書を紐解いていくという「いかにもな」歴史学はここにはない。史料のデータベース化がもたらしうる可能性には、大きな期待を抱きもするだろう。史料群の中に眠る未知の可能性を具体的な手法も含めて提示している点は、本書に限らず、歴史知識学の醍醐味をよく伝えている。

だが、一歩引いて、活用するための検索・閲覧システムとなると、本書では決して多くは語られていない。検索・閲覧のためにどのような配慮がなされているのか、どのような活用を考慮しているのか、そして、そもそも誰が活用すると想定しているのか等々。デジタルアーカイブの分野でも語られていることだが、どのような利用・活用の実現をイメージしてデータベースが構築されているのか、データベース構築と検索・閲覧システムの開発をつなぐべき一本の線がはっきりとは見えてこない。この点は本書の課題であり、この課題に答えられない限り、歴史知識学の創成はごく限られた領域でしか実現しないのではないかと危惧してしまう。

少し本書から離れれば、東京大学史料編纂所のウェブ発信のあり方に対して、私は数年前から批判を続けている。

利用にあたってはまず「東京大学史料編纂所データベース」のページに入り、利用するデータベースとして「鎌倉遺文フルテキストDB」を選択しなくてはいけない。せっかく優れたデータベースが多数あるにも関わらず、この構造のためデータベースに直接リンクして紹介できないことが多い。東京大学史料編纂所にはこの構造の見直しをお願いしたい。いち早くデータベースの開発に取り組んできた東京大学史料編纂所だが、ウェブでの発信における利便性や操作性の改善については無頓着すぎると思う。

・「東京大学史料編纂所、鎌倉遺文フルテキストデータベースを公開」(新着・新発見リソース、2006-10-17
http://d.hatena.ne.jp/arg/20061017/1161018857

今回東京大学史料編纂所のスタッフが中心となって編まれた本書を読むと、なるほど、これでは史料編纂所のサイト構築が一向に改善されないわけだと妙に納得するところがあった。データベースの構築は重要ではあるが、そこに傾斜するあまり、フロントエンドのインターフェースが置き去りにされているのではないだろうか。ウェブの仕事を10年続けてきた知識と経験に基づいていえば、最終的にどのように利用・活用してもらうのか、その絵を描かない限り、この先何十年にも渡って有効なデータベースの設計・構築はできないと思うのだが、史料編纂所の方々はどのように考えているのだろうか。

ここで連想するのが、図書館システムのことだ。図書館システムも実に様々な課題を抱えている。図書館システムの問題を見るにつけ、先駆的であったがゆえにかえって問題に直面しているというアイロニーを感じなくもない。ほとんどの人がウェブのこれほどの隆盛を想像しえなかった時代にシステム開発が進められたため、かえってウェブ時代に対応できなくなっているのが、いまの図書館システムだと思っている。「歴史情報研究に取り組みはじめて四半世紀が経とうとしている」(序章)という東京大学史料編纂所も、実はこれと同じ課題を抱えているのではないだろうか。

このことは研究会での基調講演に基づくと思われる第8章「歴史知識学の意義」(松岡資明)でも指摘されている。

冒頭で紹介したデータベースにはおおいに問題があります。特に大型コンピューターの時代に作られたデータベースをはじめとして死屍累々と言われています。せっかくの研究成果がほとんど社会に生かされていない。データベースは日常的に多くの人の目にさらされ、内容が修正改善されていかないと、なかなかすぐれたものにならないと言います。人間文化研究機構のような大組織がつくった巨大なデータベース群は別としても、小さなデータベースをどう保全、維持してゆくのかも大きな問題となるでしょう。
(139頁)

この指摘をしているのが、歴史学者ではない松岡資明さんという点もまた象徴的だ。

課題の指摘が多いように思われるだろうが、これは可能性に期待すればのことと思ってほしい。歴史知識学が切り拓くのは、歴史学の未来だけでない。歴史との関係を抜きには語れないほとんどの学問が、歴史知識学の創成に恩恵に預かることだろう。だが、現状のようにデータベースや大規模システム開発に偏った体制では、せっかくの可能性が半減してしまう。本書で示された可能性がどのように実現し、課題がどのように解決されていくのか、

・前近代日本史情報国際センター
http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/cdps/cdpsindex.html

をはじめとする東京大学史料編纂所の今後に注目したい。

以上、いろいろと書いたが、要するに歴史学に関心がなくても情報のこれからに関心がある方にはおススメの一冊であることは、誤解のないように申し添えておきたい。

歴史知識学ことはじめ

2009-04-08(Wed): 自分の基盤を考える−図書館論

ここしばらく考えていること。

図書館の専門家でも実務家でもないにも関わらず、ここ数年は図書館業界で活動することが多いのだが、自分の図書館論の基盤は何なのだろうか。以下、メモとして。

大学に入るまでは横浜市内で育ったが、確か小学生になる頃までは住んでいた区内には公共図書館がなかった。小学校の低学年の頃だったか、母親の友人たちが設置運動を展開し、横浜市図書館の分館が設置されたことを覚えている。

幼少期の図書館体験として、もう一つ重要なのは、

神奈川県立金沢文庫
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

の存在。

いまではすっかりと立派な建物になったが、当時はずいぶんと老朽化した戦前の建物が現役で使われていた。神奈川県立金沢文庫鎌倉幕府の執権を出した金沢氏の菩提寺である称名寺に隣接しており、小学生の頃は日がな一日お寺の池でザリガニ釣りに興じていたものだ。

ライブラリアンでは経験者も多いであろう図書委員だが、中学校のときに一度やったような記憶はあるが、高校ではやっていない。一浪して国際基督教大学ICU)に入学し、ここで学生証による入退館ゲートやOPACの衝撃を味わう。いずれも自分が入学したちょうどその頃に導入されたばかりのシステムだったはずだ。

在学中は、

国際基督教大学図書館(ICU図書館)
http://www-lib.icu.ac.jp/

にずいぶんとお世話になった。なにせ貸出冊数に制限のない図書館である。我ながら非常によく勉強し出した大学3年生の頃は常時100冊近くを借りていた。また、ライブラリアンの方々に非常にお世話になったことも確かだ。前館長の長野由紀さんをはじめ、以前書評させていただいた『図書館の再出発−ICU図書館の15年』の著者はどなたもお顔が思い浮かぶ。

・「黒澤公人、畠山珠美、松山龍彦、久保誠、長野由紀、山本裕之、浅野智美著『図書館の再出発−ICU図書館の15年』(大学教育出版、2007年、2100円)」(編集日誌、2007-12-09
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071210/1197214980
・書評「図書館の再出発−ICU図書館の15年」(「情報の科学と技術」58-3、情報科学技術協会、2008-03-01)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006646613/

ICU図書館絡みでいえば、在学中の1995年に、

・多摩アカデミックコンソーシアム図書館サービス
http://www-lib.icu.ac.jp/TAC/

が始まったことも印象的だった。もの珍しさもあって、東京経済大学図書館に自転車で何度か行ったことを覚えている。

さて、ここまではあくまで経験の話なのだが、自分として一つ画期的な出来事だったのは、大学3年生の折に立川明教授の授業「日本教育史」で"Education in Japan"(1946年2月発表)と『アメリカ教育使節団報告書』(1946年4月発表)を読んだことだ。

アメリカ教育使節団報告書 (講談社学術文庫)
・『アメリカ教育使節団報告書』(村井実訳、講談社学術文庫、1979年、672円)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061582534/arg-22/

は比較的よく知られているだろうが、"Education in Japan"はこの時代に関心のある方でなければまず知らない資料だろう。"Education in Japan"は、GHQ/SCAPに置かれた民間情報教育局(Civil Information & Education Division)によって教育使節団受け入れのためにまとめられており、『アメリカ教育使節団報告書』の源流ともいえるものだ。この2つの報告書を読んだ衝撃は大きかった。おりにふれて図書館は民主主義の砦といわれるが、この2つの報告書にはその考えが色濃く出ている。ライブラリアンで、特に公共図書館のライブラリアンで、「図書館は民主主義の砦」論に依って立つ方がいるなら、最低限『アメリカ教育使節団報告書』は読んだほうがいい。

なお、これらの資料の位置づけについては、根本彰さん(東京大学)らによる

・占領期図書館史プロジェクト
http://plng.p.u-tokyo.ac.jp/text/senryoki/
・「占領期における図書館政策の推移−CIE関係文書による」
http://plng.p.u-tokyo.ac.jp/text/senryoki/gakkai99p.html

に詳しいのでご参照いただきたい。

そうこうしているうちに、1995年のWindows95ブーム、それに引き続くインターネットブームが到来し、大学を卒業する頃には、Webcatが登場してきたわけだ。大学卒業後は図書館から徐々に遠ざかっていくわけだが、インターネットの普及とともにインターネットで再び図書館に出会うようになったということだろう。

しかし、こうやって振り返ってみると、なにが自分の図書館論の核になったのだろう。まだ答えは見つからない。

2009-04-07(Tue): 新着・新発見未満のサイト群

紹介する時機を逸してしまったり、公開年月の検討がつかず、置き去りになっていたサイトをまとめて紹介しておこう。

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サンパウロ人文科学研究所
http://www.cenb.org.br/cenb/

ブラジルにおける日本人移民史、日系人や日系社会に関する調査研究を行う公益団体。伝記風の読み物「ブラジル物故先駆者列伝」や白黒写真集「移民の風景」がある。


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・「小松左京全集 完全版」プロジェクト
http://www.jiu.ac.jp/sakyo/

城西国際大学出版会による企画。詳細は不明だが、

・BookPark - オンデマンド版・小松左京全集
http://www.bookpark.ne.jp/sakyo/

の不足を補うものということだろうか。

小松左京ホームページ
http://www.nacos.com/komatsu/
・株式会社イオ・小松左京事務所
http://www.iocorp.co.jp/


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立正大学情報メディアセンター(図書館) - 田中啓爾文庫
http://www.ris.ac.jp/library/book/

日本における地理学研究の先駆者の一人である故・田中啓爾(1885年〜1975年)の旧蔵書。絵図等の貴重資料約140点が電子化されている。


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三宅雪嶺記念資料館
http://www.rku.ac.jp/seturei/

明治・大正・昭和にかけて活躍した三宅雪嶺1860年〜1945年)の記念館。流通経済大学に設置されている。流通経済大学に資料館があるのは、三宅雪嶺の孫にあたる地理学者の三宅立雄さんが同大学に長く勤めたという縁によるとのこと。この由来から派生的に考えたのだが、終生在野で通した人々の資料というのは散逸しやすいのではないか。当然と言えば当然のことかもしれないが、たとえば同時代の人物である哲学者の井上円了の場合、創立した東洋大学に、

井上円了記念学術センター
http://www.toyo.ac.jp/enryo/

が置かれているのとは好対照。


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・高度言語情報融合フォーラム
http://www.alagin.jp/

主にウェブにおける「言語の壁」「情報の量の壁」「情報の質の壁」を克服しようとする産官学の連携。情報通信研究機構NICT)がバックアップしている。


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情報処理学会 情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究グループWEB
http://lab.iisec.ac.jp/~uchida_lab/spt/

  1. セキュリティ(ヒューマンファクタ関連する部分)
  2. ヒューマンインタフェース(セキュリティ技術との関連する部分)
  3. CSCW、協調支援(セキュリティ技術との関連する部分)
  4. トラスト(セキュリティやネットワークに関連する部分)

が研究対象。情報の信頼性と信憑性を考える機会が多い自分としては非常に気になる。


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・科学技術の智プロジェクト(Science Literacy for all Japanese)
http://www.science-for-all.jp/

2009-01-17(Sat):
第9回 生命科学と社会のコミュニケーション研究会「科学コミュニケーションを捉え直す−生命科学とマス・メディア」
(於・京都府京都大学北部構内)
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/labs/biosoc/04information/info_08.html#023

の際に教わったもの。存在を知らなかった不明を恥じつつ、サイエンスコミュニケーションの情報伝播力についても考えさせられた。


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静岡県立大学図書館 - 岡村文庫資料
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/library/okamura_bunko/

『南ヴェトナム戦争従軍記』(1965年)で有名な報道写真家の故・岡村昭彦さん(1929年〜1985年)の旧蔵書約1万6000冊を収めているという。岡村さんは晩年静岡に住まい、ホスピスやバイオエシックスの問題に取り組んだという。その縁で静岡県立大学に文庫が置かれたのだろう。『南ヴェトナム戦争従軍記』といえば、報道写真家にあこがれていた高校生の頃に読んだ記憶がある。岡村さんといえば報道写真家の印象が強かっただけに、後年の活動内容はやや意外だった。

・AKIHIKOの会
http://akihiko.kazekusa.jp/


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・長野県デジタルアーカイブ推進事業
http://www.pref.nagano.jp/kikaku/josei/da/
・信州デジくら
http://www.digikura.jp/

長野県が進める地域でのデジタルアーカイブ事業。

2009-04-11(Sat): 気になる催し−検索ワークショップ「Search'n Search(仮)」

かねてからその活動が気になっている

山口情報芸術センターYCAM
http://www.ycam.jp/

が、検索ワークショップ「Search'n Search(仮)」というのを企画しているらしい。開催はまだずいぶん先で2010年の1月、2月とのこと。

「検索」から見えてくる「社会とメディアとのつながり」を探る
インターネットの普及により、私たちが用いている技術「検索」について、その仕組みと役割について理解するワークショップ。どのようにインターネット検索をしたら、効率よく検索できるか、といったHow toの講座ではなく、インターネットの検索エンジンにおいて私たちの目には見えない裏側の仕組みについて、カードゲームを用いて遊びながら学ぶことで、社会とメディアとのつながりを探っていくワークショップです。

http://www.ycam.jp/education/2009/04/searchn-search.html

という内容案内に惹かれる。講師は石橋素さんと真鍋大度さん、そしてYCAM教育普及スタッフ。

・石橋素さん
http://www.motoi.ws/
真鍋大度さん
http://www.daito.ws/

ちなみに、お二人のブログに2005年5月に川口市メディアセブンで開催した同内容と思われるワークショップの記事がある。

2007-05-05(Sat):
こども検索ワークショップ「ポットポット」
(於・埼玉県/川口市メディアセブン)
http://www.mediaseven.jp/open/common/link.jsf?act=actmateriallistdetail&pmd=21&sn=77&bact=thumbnail

・「Searching Workshop」(Motoi Ishibashi)
http://www.motoi.ws/lang/ja/2007/05/searching-workshop
・「検索ワークショップ」(Daito Manabe、2007-05-03
http://www.daito.ws/weblog/2007/05/post_1.html
・「川口workshop終了」(Daito Manabe、2007-05-07)
http://www.daito.ws/weblog/2007/05/workshop.html

今年も6月と11月に同志社大学図書館講習会「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題した講義を行うので、他の方々の取り組みもきちんと勉強しておきたい。しかし、このお二人のお仕事を拝見していると、才能の豊かさに驚嘆することしきりだ。

・「同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義」(編集日誌、2007-11-16)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20071120/1195490785
・「同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義(2008年度)」(編集日誌、2008-06-10)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20080613/1213287103
・「同志社大学図書館講習会で「ウェブ情報の効果的利用法−検索エンジンからウェブを理解する」と題して講義(2008年度後期)/第3回ARGオフ会@京都を開催」(編集日誌、2008-11-11)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20081114/1226590056

2009-04-10(Fri): 続・最近の気づき−お茶の水女子大学附属図書館サイトに掲げられた言葉

少し前に、

・「最近の気づき−茨城大学図書館サイトに掲げられた言葉」(編集日誌、2009-02-23)
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090227/1235691064

の中でお茶の水女子大学附属図書館のサイトにせっかくの理念が掲げられていないのはもったいないと記したのだが、早速同図書館の茂出木理子さんからコメントをいただき、以下のようなやりとりがあった。

茂出木理子@お茶大茂出木理子@お茶大 2009/02/27 22:29 お茶の水女子大学附属図書館のことを取り上げていただきありがとうございます。
HPのメニューからひとつクリックしていただく必要はあるのですが、理念は、「図書館の理念と活動報告(http://www.lib.ocha.ac.jp/rinen.html)」に示しています。

arg 2009/03/16 15:40 遅くなりました。コメントありがとうございます。>茂出木理子@お茶大さん

あ、すみません、そうですね。
オフラインでは図書館の玄関にあるのがすごくいいので、オンラインでも玄関口に置くのはどうでしょうか?
http://www.lib.ocha.ac.jp/images/top/top-pic_blog_off.jpg
この画像のところとか。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090227/1235691064#c

screenshot

このやりとりがきっかけではなく、もともとお茶の水女子大学附属図書館の内部でそういう動きがあったのだろうと思うが、今日お茶の水女子大学附属図書館のサイトのトップページに、同館の理念である

お茶の水女子大学附属図書館は、時間と空間を超える知的交流の場であり、
次世代の知を創造し発信する学術情報基盤として機能する。

が掲げられた。

お茶の水女子大学附属図書館
http://www.lib.ocha.ac.jp/

これは心から拍手したい。

ちなみに、画像は次のように変わっている。

・以前の画像
http://www.lib.ocha.ac.jp/images/top/top-pic_blog_off.jpg
・現在の画像
http://www.lib.ocha.ac.jp/images/top/top-pic_rinen1_off.jpg

なお、この件について、お茶の水女子大学附属図書館LiSA活動日誌に茂出木さんによる記事がある。

・「「理念」は上品かつ自信を持って」(お茶の水女子大学附属図書館LiSA活動日誌、2009-04-10
http://ochadailisa.blog32.fc2.com/blog-entry-212.html

この記事の中で特にうなずいたのが、

「理念」の下にこのLiSAブログリンクが出てる組み合わせを、不思議に思われる方もいるかもしれません。
でも、理念とLiSAブログに記している日々の活動は離れがたい表裏一体のものだと、私たちは確信してます。

ショートケーキにはイチゴが不可欠のように、あんパンには桜の塩漬けが欠かせないように。
理念には日々の活動がセットにならなきゃいけないんです。

・「「理念」は上品かつ自信を持って」(お茶の水女子大学附属図書館LiSA活動日誌、2009-04-10
http://ochadailisa.blog32.fc2.com/blog-entry-212.html

という箇所。

おそらく、この考えがあればこそ、

・図書館の理念と活動報告
http://www.lib.ocha.ac.jp/rinen.html

このページも理念と活動報告がセットになっているのだろう。

さて、傍からの勝手な繰り言で申し訳ないのだが、もう一つ、二つ欲をいえば、トップページに掲げた理念の箇所をクリックすると、

・図書館の理念と活動報告
http://www.lib.ocha.ac.jp/rinen.html

に移動するようなリンクがあると、よりよいのではないだろうか。そして、

・図書館の理念と活動報告
http://www.lib.ocha.ac.jp/rinen.html

には、お茶の水女子大学附属図書館の活動が最も躍動的に伝えられている

お茶の水女子大学附属図書館LiSA活動日誌
http://ochadailisa.blog32.fc2.com/

へのリンクがあると、なおいっそうよいのではないだろうか。

・「附属図書館の理念を玄関に掲額しました。」(お茶の水女子大学附属図書館、2009-03-26)
http://www.lib.ocha.ac.jp/topics/2008/rinen_080326.html

ところで、

・「平成20年度の図書・情報チーム研修会を計15回実施しました。」(お茶の水女子大学附属図書館、2009-03-30)
http://www.lib.ocha.ac.jp/topics/2009/kenshuH20.html

が目にとまったのであわせて紹介しておきたい。

大学図書館に限らず、図書館業界は非常に研修熱心という印象を強く持つ。実際、イベントカレンダーを更新していても思うのだが、対外的に情報が公開されている研修事業の数だけでも相当なものだ。だが、開催の事実はあまり積極的に広報されていない。ここで言っているのは、集客のための広報ということではなく、まさに活動報告としての広報ということだ。

お茶の水女子大学附属図書館のように利用者にもわかるように広報することで、図書館やライブラリアンが日々のサービス提供のためにどのような努力をしているかが伝わっていく。そして、研修を行っているという事実を公にすればするほど、自分たちのサービスに対して言い訳しにくくなる。いわば自らに高いハードルを課すことになるわけだが、そうすることでよりいっそうスキルアップが図られていくというサイクルにつながっていく。緊張感は高まるだろうが、それを乗り越えてこそのプロフェッショナルというもの。なるほど、お茶の水女子大学附属図書館のレベルは高いわけだと納得する。

ちなみに、この種の研修の講師にお招きいただくことが多い身としては、こうやって内部研修の情報をウェブで出していただくとは非常にありがたい。対外的に公開されている情報があれば、自分の実績としてアピールできるようになるからだ。逆にウェブに情報が出ていないと、講師の側としてはいささか残念。研修会を企画する方には、ぜひ意識してほしい。

2009-04-15(Wed):

科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会 研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第23回)
(於・東京都/文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/kaisai/1260132.htm